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高校野球選抜2017、激戦を勝ち抜いたベスト8の一角、健大高崎

2017 5/15 09:56hiiragi
野球
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2017年第89回選抜高校野球大会、延長15回7対7の引き分け再試合を戦いベスト8まで勝ち上がった、関東代表群馬県の健大高崎のこれまでの甲子園での実績やチームをご紹介するとともに、ベスト8までの戦いを振り返り、夏の甲子園への展望にも触れてみたいと思う。

全国制覇を目標に、継投策と機動力野球で甲子園出場

健大高崎の正式名称は高崎健康福祉大学高崎高等学校だ。野球部創設は2001年とまだ新しく、選抜大会には2012年初出場でベスト4、2015年の2回目にはベスト8と実績を残し、今回が2年ぶり3回目の出場となった。健大高崎の目標は全国制覇だ。
そのために、全国から優秀な人材を集めるとともに、コーチングスタッフも充実させ、徹底した数値管理と実戦経験を重視した指導を行っている。今年のチームは力のある投手数名による継投策と、機動力を生かした高い得点力で甲子園の座をつかんだ。

大差で勝ち抜いた1回戦、北海道代表札幌第一高等学校戦

1回戦は北海道代表札幌第一と対戦した。攻撃力には定評のあるチームだ。
この試合は札幌第一は冨樫颯大投手、健大高崎は伊藤敦紀投手の先発で始まった。健大高崎は1回の表の2死満塁のピンチを切り抜けると、2回3点、3回2点と序盤で5点の差をつけ、試合を有利に進める。
終盤7回には4番山下航汰選手の満塁本塁打などで追加点を奪い、守っては、先発の伊藤投手が7回1失点と好投、8回9回は継投でつなぎ、11対1の大差で1回戦を勝ち進んだ。この試合では16安打2本塁打と打線も爆発している。

15回再試合2回戦北信越代表福井県福井工業大学附属福井高等学校戦

2回戦は福井工大福井と対戦した。2年連続5回目の出場となる福井県の強豪だ。
試合は福井工大福井摺石達哉(すりいし たつや)投手、健大高崎伊藤敦紀投手の先発で始まった。健大高崎は4回裏3塁打2本を含む猛攻で4点を先行する。
しかし、5回3点6回3点と逆転を許すと、5回1点、7回1点と返し6対6の同点で9回の攻防を迎えた。9回の表安打と2塁打で1点を取られたが、その裏相手エラーと死球でつかんだチャンスを生かし、同点に追いつく。延長戦ではお互いがチャンスを生かせず、15回同点再試合となった。

同点再試合を制し、ベスト8に進出

2日後に行われた同点再試合は福井工大福井が加藤功海投手、健大高崎が向井義紀投手の先発で始まった。健大高崎は1回から、足を絡めた攻撃と2塁打2本の長打を見せ、一挙4点を先制した。4回にも2点を追加して6対0とした2死満塁から3番に入った山下選手が1回戦に次ぐ満塁本塁打を打ち、10対0と、試合を決めてしまった。
守っては、先発した向井投手が、3安打11奪三振の力投で、9回を2失点に抑え完投勝ちを飾った。失策が2個あり、失点に絡んだものの、投打がかみ合った試合でベスト8に勝ち進んだ。

準々決勝は九州代表熊本県秀岳館高等学校して敗退

準々決勝の対戦相手は熊本県の秀岳館だった。
2回戦で優勝候補の作新学院を破って勝ち上がった強豪だ。試合は秀岳館川端健斗投手、健大高崎は伊藤敦紀投手の先発で始まった。1回表2点を本塁打で先制されると、3回に1点、4回には4点と追加点を許し、試合を決められてしまった。健大高崎も6回と7回に盗塁を絡めた機動力で一矢報いるが、時すでに遅し2対9で敗れてしまった。
今回の敗戦は得意の機動力を使う前に、大量失点を喫してしまったが、継投策は過密日程の甲子園では有利だ。怪我でほとんど出場できなかった、湯浅大選手が戻ってくれば、夏の甲子園でも面白い存在になりそうだ。

まとめ

2017年第89回選抜高校野球大会でベスト8まで勝ち進んだ、健大高崎の戦いの跡を振り返った。延長15回引き分け再試合は、偶然にも前の試合も引き分け再試合となっていて、春夏の甲子園を通じて史上初の出来事だった。歴史に残る再試合を勝ちあがるも、ベスト8で敗れてしまったが、夏には機動力に磨きをかけて、目標の全国制覇を目指してほしいものだ。