攻守に均整の取れたチーム
盛岡大付の正式名称は盛岡大学附属高等学校だ。岩手県盛岡市にあり創設は1958年、野球部は1980年に誕生した。夏の甲子園には2005年の初出場以降9回出場した。2016年夏にも出場し3回戦まで進んでいる。選抜には2013年が初出場で、計3回出場、2017年で4年ぶり4回目となった。
守りのかなめは2016年からエースを務める三浦瑞樹投手と2016年秋から力をつけてきた平松竜也投手、攻撃陣を引っ張るのは2016年夏の大会でも本塁打を記録した植田拓選手だ。選抜前までの新チーム打率.337、防御率1.80と均整の取れたチームだ。
延長10回逆転サヨナラ、1回戦の対戦相手は北信越代表富山県高岡商業
1回戦の対戦相手は、北信越代表富山県の県立高岡商業高等学校だった。高岡商業は選抜は7年ぶり5回目ながら、夏は17回の出場を誇る、富山県の強豪だ。
試合は高岡商業が土合伸之輔投手、盛岡大付は三浦投手の先発で始まった。初回から点の取り合いとなり、1回表に高岡商業が2点先行すると、裏には盛岡大付が2点返すといった具合で、9回を終わって8対8のまま延長戦に入った。そして延長10回には、高岡商業が1点加えて勝ち越す。
しかしその裏、四球とエラーで無死二三塁とすると、林一樹選手のセンター前ヒットで2点を入れ、逆転サヨナラで2回戦に進んだ。
2回戦の対戦相手は2連覇を目指す近畿代表奈良県の智辯学園高等学校
2回戦の対戦相手は、近畿代表奈良県の智辯学園高等学校だった。智辯学園は2016年選抜大会優勝校で、2017年も優勝を狙う強豪だ。
試合は智辯学園が松本竜也投手、盛岡大付は三浦投手の先発で始まった。前半はどちらも得点圏に走者を進めるものの、あと一打が出ず、0対0が続く。しかし6回裏に盛岡大付が2本の二塁打で1点を先制すると、試合は盛岡大付ペースとなり、7回には3点、8回には1点を追加する。守っては智辯学園の反撃を9回の1点に抑え、ベスト8に進んだ。
準々決勝で優勝候補近畿代表大阪の履正社高等学校に敗退
準々決勝の対戦相手は近畿代表大阪の履正社高等学校だった。履正社は2016年秋季近畿大会と明治神宮大会を優勝し、優勝候補の本命だった。
試合は履正社が竹田祐投手、盛岡大付は三浦投手の先発で始まった。序盤から履正社ペースの展開だったが、三浦投手もよく踏ん張り4回までは点を与えない。しかし5回表は二死からエラーが出て一挙5点を奪われてしまった。6回に1点、9回に2点と追加点を許し、7回に1点を返すのが、精一杯で、1対8で敗退となり、ベスト4進出はかなわなかった。
投手力、攻撃力とも健在で夏が楽しみ
2017年選抜大会では、準々決勝で8対1と思わぬ大敗を喫した。3連投の三浦投手にも疲れがあったのかもしれない。
しかし一挙5点を奪われた5回表を見てみると、二死からのエラーが原因だった。投手陣が撃ち込まれたわけではなく、三浦投手、平松投手の2枚看板は夏に向かって健在だ。攻撃陣も、3試合合計で16点を挙げていて、攻撃陣のかなめ植田選手も本塁打を打った。不来方や花巻東など強豪がひしめく岩手大会を通過できれば、夏の甲子園でも今回以上に活躍できそうだ。
まとめ
2017年選抜甲子園大会で、ベスト8まで勝ち進んだ盛岡大付の甲子園での実績や、今大会のハイライトをご紹介するとともに、夏の甲子園の展望にも触れてみた。戦前の評価は決して高くはなかったが、勝負強く勝ち進んだ。投手力と攻撃力がかみ合えば、夏の甲子園でも期待できそうだ。