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智弁和歌山との死闘制した霞ケ浦が甲子園初勝利 “最速127キロ”甲子園がどよめいた「令和の星野伸之」の力投

2024 8/13 17:00SPAIA編集部
甲子園球場
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「星野伸之」がトレンド入り

『第106回全国高等学校野球選手権大会』は13日(火)が大会7日目。第4試合の花巻東(岩手)をもって、出場全校が初戦を終えることとなる。

最後の“初戦同士”の激突となった第3試合は、霞ケ浦(茨城)が智弁和歌山(和歌山)との延長タイブレークの死闘を制し、春夏通じて甲子園初勝利を掴んだ。

この試合で大きな話題を集めたのが、霞ケ浦の先発投手・市村才樹のピッチングだった。

2年生ながら背番号1を背負う左腕は、聖地での初球に88キロのスローカーブを選択。2球目も93キロのカーブで続き、3球目にはじめて投じたストレートも127キロ。この日ちょうど100球でマウンドを降りる市村にとって、なんとこの3球目が計測できたボールの中で最速の1球だった。

初回は二死から死球で走者を出すも、4番の花田悠月を120キロの速球でズバッと見逃し三振。2回以降も100キロ未満のスローカーブと110キロ台後半から120キロ台中盤のストレートを軸に、時折100~106キロのチェンジアップと同じく100キロ台のスライダーを織り交ぜて智弁和歌山打線を翻弄していく。

地区大会で4割近いチーム打率を残した強力打線に対し、気が付けば5回一死まで無安打投球。SNS上では「霞ケ浦のピッチャー」や「スローカーブ」のほか、まさかの「星野伸之」の名前がトレンド入りする事態となった。

星野伸之氏といえば、80年代後半から90年代にかけてオリックスのエースとして活躍したサウスポー。ストレートの最速は130キロながら、70~90キロ台のスローカーブを武器に通算176勝、2041奪三振を記録した。

高校生でも最速150キロ超が珍しくなくなってきた現代において、187センチ・76キロの細身から繰り出す緩いボールを駆使して強力打線を封じ込める市村に対し、多くの野球ファンが往年の名投手の姿を重ねながらその投球に熱い視線を送った。

3点の援護をもらい、7回まで智弁和歌山を0点に抑えていた市村だったが、8回二死から味方の失策で走者を背負うと、途中出場の3番・高桑京士郎に一発を浴びて2失点。さらに4番・花田にこの試合100球目の速球を完璧に捉えられ、二者連続の被弾で3失点。試合を振り出しに戻され、8回途中3失点でマウンドを降りた。

それでも、その後は両軍のリリーフが踏ん張り、3-3のまま延長タイブレークへ。迎えた延長11回、先攻の霞ケ浦が2本の適時内野安打で2点を奪い、裏の守りを1点でしのいで5-4の逃げ切り勝ち。死闘を制した霞ケ浦が春夏通じて4度目の出場で嬉しい甲子園の初勝利を掴んだ。

難敵を破った霞ケ浦の次戦は、13日の第4試合で行われる花巻東(岩手)と滋賀学園(滋賀)の勝者となる。16日(金)に予定されている次の試合でも「令和の星野伸之」が躍動するか、引き続き注目だ。

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