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高校球児に朗報!春と夏の甲子園で「継続試合」導入、コールドゲームの悲劇よさらば

2022 2/19 11:00鰐淵恭市
イメージ画像,Ⓒ104000/Shutterstock.com

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これまでは7回終了が成立基準

高校野球で一つの「改革」が行われる。3月18日に開幕する選抜高校野球大会から「継続試合」が導入されることになった。天候不良などで試合が中断した場合には、翌日以降に中断時点から試合の続きを行うことになる。春はもちろん、夏の選手権でも採用される。

これまでの高校野球では、試合が成立するのは7回終了が一つの基準だった。それ以前に試合が打ち切られていれば「ノーゲーム」として試合は不成立。7回終了以降での打ち切りは「コールドゲーム」として試合が成立していた。

ただ、リードしながらノーゲームになって再試合で負けたり、大会日程の関係で悪条件の中で無理やり7回終了まで試合が行われたりした場合には、不満の声が聞かれていた。

どろどろの試合もなくなる

10年ほど前はそういったケースはあまりなかったが、近年の夏の全国選手権ではゲリラ豪雨が多発し、試合が中断することが多くなった。

特に雨にたたられたのが昨夏の103回全国選手権大会だった。1回戦の明桜(秋田)―帯広農(北北海道)、近江(滋賀)―日大東北(福島)の2試合が雨でノーゲームになった。

そして、継続試合導入の議論を高めるきっかけになったのが、同大会1回戦の好カードだった大阪桐蔭―東海大菅生(西東京)だろう。この試合は大阪桐蔭が7―4とリードしていた8回表1死一、二塁で打ち切られて、23年ぶり8回目となる降雨コールドゲームになった。

激しい雨でグラウンドがどろどろになる中で試合が行われたことや、追いかけていた東海大菅生の好機で試合が打ち切られたこともあり、後味の悪いものになった。高校野球では甲子園を借りることができる期間が限られているため、ネット上では「試合成立させるために土砂降りでも試合をさせた」との臆測も流れた。

ノーゲームの不公平感もなくなる

継続試合導入で、ノーゲームもコールドゲームもなくなる。特にノーゲームでは、打撃成績が無効になるのはもちろん、翌日以降に一回から試合をやり直していたため、選手には負担になっていたが、こういったこともなくなる。

1週間500球以内の投球数制限がある投手に関しては、球数が増える上、ノーゲームでも投球数はカウントされていたが、この不公平感もなくなることになる。

継続試合では、タイブレークも含め、中断になった時点から再開される。もちろん、中断になった試合で交代して退いた選手は,継続試合には出場できない。

継続試合の導入は春と夏の甲子園、軟式の全国大会では決まっているが、地方大会での導入は各地方高野連の判断に任せられる。いずれにせよ、球児には朗報の「改革」である。

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