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大阪桐蔭・藤江星河、健大高崎・下慎之介ら2020年ドラフトで注目の高校生左腕たち

2020 4/8 11:00林龍也
イメージ画像ⒸPerry Correll/Shutterstock.com
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ⒸPerry Correll/Shutterstock.com

センバツでブレイク候補だった藤江星河、下慎之介

新型コロナウィルスの影響を受け、中止となった今季センバツ。これにより、大会に出場予定だった好左腕たちを観ることは叶わなくなってしまったが、今夏、またはそれ以降に注目されるであろう高校生左腕たちを紹介したい。

まず紹介したいのは、大阪桐蔭のエース・藤江星河(ふじえせいが)だ。右脚の反動を活かしたフォームから繰り出す速球の最速は141キロを誇り、チェンジアップやスライダーを織り交ぜ、三振を量産する。2年夏には1学年上のエース・中田惟斗(オリックス)に次ぐ投手としてマウンドに上がったが、準々決勝で敗れ甲子園出場はならなかった。

エースナンバーを背負った昨秋は、公式戦11試合中10試合に登板し、45回1/3を投げて防御率2.78、57奪三振を記録。奪三振率11.32は選抜出場予定だった投手の中で2位の数字(1位は星稜・寺西成騎の11.81)だ。178cm74kgと線は細いが、身体ができてくれば球速も伸びるだろう。伸びしろ満載の左腕に今後も要注目。

続いて紹介するのは昨秋全国準Vの左腕、下慎之介(しもしんのすけ)だ。140キロ以上を投げる投手を多く擁する今年の健大高崎。その中でエースを務める下は、182cmの長身から最速141キロの速球と、大きく曲がるスライダーのコンビネーションが武器の投手だ。

昨秋の群馬県大会2回戦の太田戦では、10者連続を含む12奪三振(7回)を記録するなど、三振の山を築いた。明治神宮大会まで含めて13試合を戦い、11試合に登板、68回2/3を投げ防御率1.83、75奪三振を記録。「機動破壊」で知られる健大高崎だが、今年はその攻撃力だけでなく、下をはじめとした投手陣が高校野球界を沸かせそうだ。

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全国的にはまだ無名だが要注目の投手も

ここ数年でも石川達也(法政大)や板川佳矢(国際武道大)、及川雅貴(阪神)らを輩出している横浜に、今年も好左腕がいる。力強いフォームから、最速147キロを投げ込む松本隆之介(まつもとりゅうのすけ)だ。身長186cmの松本は、大型左腕として入学。1年春の公式戦デビューでいきなり145キロを計測し、観衆の度肝を抜いた。

2年のセンバツでは初戦の明豊戦に2番手として登板し、甲子園デビュー。昨秋は神奈川県大会準々決勝で桐光学園に敗れ、今季センバツを逃していた。スケール感の大きな投手なだけに、最後の夏に一皮むけてドラフト上位でのプロ入りに期待したい。

今年の高校生No.1左腕との呼び声が高いのが、静岡商の高田琢登(たかだたくと)だ。全身のバネを活かしたフォームから、現時点で今年の高校生左腕最速の148キロを投げ込む本格派。昨秋は静岡県大会3位で東海大会に進出したものの、1回戦の津商戦で4回途中10失点と打ち込まれ、敗戦。

しかし、11月に行われた早稲田大との大学野球オータムフレッシュリーグに登板すると、5回を投げて1安打無失点、6奪三振の好投。格上の大学生をねじ伏せる投球を見せた。父でもある高田晋松監督との親子鷹で臨む最後の年に、聖地のマウンドに立って全国デビューを果たしたい。

最後に紹介するのは、苫小牧中央の根本悠楓(ねもとはるか)。全国的にはまだ無名の存在だが、白翔中時代に全国中学軟式野球の決勝戦で完全試合を達成し、優勝に導いた。高校でも1年夏から公式戦に登板し、2年秋には146キロを計測するなど順調に成長を見せている。「地元の仲間とともに甲子園を目指したい」と、全国の強豪校の誘いを断り苫小牧中央に進学した。最後の夏に夢を叶えることができるか注目だ。

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