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報徳学園から関メディ経由で夢のプロ入りへ、阪神・今朝丸裕喜の同級生が社会人チームで腕を磨くワケ

2025 9/1 06:00SPAIA編集部
関メディの福岡幸音内野手,photographer/Atsushi Kishimoto
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photographer/Atsushi Kishimoto

関メディ大学通信コースの福岡幸音内野手

社会人野球の第96回都市対抗野球が東京ドームで行われているが、出場していないチームは10月28日に京セラドーム大阪で開幕する第50回社会人野球日本選手権の地区予選に向けて最終調整に入っている。

兵庫県西宮市の関メディベースボール学院もそのひとつ。中学野球のポニーリーグでセンセーションを巻き起こしている中等部が有名だが、野球選手科は社会人チームとして活動しており、9月16日から始まる日本選手権近畿地区最終予選に出場する。

注目は今春に報徳学園高を卒業して関メディに加入した福岡幸音(しおん)内野手(19)。センバツで2年連続準優勝し、昨秋ドラフト1位で阪神に入団した今朝丸裕喜と関メディ中等部から報徳学園でチームメイトとしてプレーした。福岡は高3時はベンチ入りできず甲子園の土は踏めなかったが、プロに進んだ今朝丸から受ける刺激は大きい。

「高校からプロに行った時は僕より上に行ってしまったと思ったし、今もテレビで見ると凄いと思いますが、同級生同士で集まったりすると、良い意味で全く変わってません(笑)。自分も頑張らないといけないと思いますね」

高校3年で進路を決める際、親からは大学進学を勧められたという。しかし、福岡は関メディを選んだ理由をこう説明する。

「野球中心の生活が送れるし、専門的でハイレベルな環境でやった方が自分のためになります。対戦相手が社会人チームなので学ぶことも多いんです」

現在は関メディが星槎大学(神奈川県)と提携して4年で大学卒業資格や教員免許の取得が可能な「大学通信コース」で勉強しながらトレーニングに励む。完全オンラインの授業は土日のみのため、平日は文字通り野球漬けだ。

左打ちでセカンドとファーストを守る福岡は「将来はプロに行きたい」と今朝丸と同じ舞台に立つことが目標。夢を実現するために、恵まれた環境で腕を磨いている。

関メディの福岡幸音内野手

関メディベースボール学院提供

17日に日本選手権予選でパナソニックと対戦

名門校の報徳学園出身とはいえ、やはり社会人チームはレベルが高く、入った当初は驚いたと振り返る。

「高校とは打球速度も違うし、最初はちょっと不安になりました。でも、自信がなかった守備でも日に日にレベルアップしているのを実感しています」

関メディは元プロの豪華コーチ陣が売りだが、野球選手科で指導する立石充男コーチもその一人。ダイエー、中日、近鉄、阪神、楽天などで豊富な指導歴を誇る立石コーチから教わっている福岡は「攻めた中でアウトを取るとか、守備でチームの雰囲気を変えられるようになった」と自信を見せる。

日本選手権近畿地区最終予選の初戦は9月17日、わかさスタジアム京都で強豪パナソニックと対戦。福岡にとっては、レベルアップした実力を披露する絶好の機会でもある。

井戸伸年総監督は「福岡は高校時代に甲子園でプレーできませんでしたが、コツコツと努力して成長しています。そういう選手でも努力と環境次第でプロや社会人に行って輝けるということを証明してほしいですね。期待しています」とエールを送った。

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