危なげのないレース展開で23回目の優勝旭化成
32年連続55回目となる旭化成は、昨年18年ぶりに史上最多22回目となる優勝を飾り、2連覇を目標に上州路に乗り込んできた。これまで日本人選手で対応してきた2区の外国人枠に、初めてケニア出身のアブラハム・キプヤティチ選手を投入して、万全を期してレースに臨んだ。
1区では茂木圭次郎選手が9位と出遅れたが、2区でアブラハム選手が首位に立つと、3区以降危なげのないレース展開で一度も首位を明け渡さずゴール、23回目の優勝に輝いた。3区の市田孝、5区の村山謙太選手、6区の市田宏の兄弟選手と7区間中3区間で区間賞を取り、2区が区間3位、4区が区間5位、7区が区間2位と、付け入る隙を与えなかった。
昨年11位から過去最高タイ記録の2位に浮上、優勝候補Honda
2位にはHondaが入った。34年連続35回目の出場となるが、優勝はまだなく昨年も優勝候補の一角に数えられたものの11位に終わっている。
4区にリオオリンピック10000m代表の設楽悠太選手、6区にリオオリンピックマラソン代表の石川末廣選手を配し、レースに臨んだ。
1区で21位と出遅れて、2区で14位、3区で12位と順位を上げ、4区の設楽選手が区間賞の走りで2位グループに追いついたが、最後まで旭化成を捉えることはできなかった。それでも2位の座は最後まで守り、過去最高タイの2位でゴールして来年に望みをつないだ。
昨年の雪辱ならず、3位に終わったトヨタ自動車
3位にはトヨタ自動車が入った。29年連続39回目の出場だが、ここ数年は常に優勝争いに顔を出し、2015年、2016年と連続優勝の後、2017年は2位に甘んじていた。
前回欠場の窪田忍選手も手術から復帰、毎回勝負どころとなる6区に起用して、優勝奪還を目指してレースに臨んだ。
1区を10位と若干出遅れたものの、2区で3位、3区5位、4区3位と優勝争いに加わり、5区を3位で6区の窪田選手に望みを託した。
しかし、窪田選手は区間3位の走りは見せたものの、先行する旭化成、Hondaには追いつけなかった。最終7区では早川翼選手が区間賞の走りで意地を見せたが、3位のままゴール、2位のHondaとは9秒差だった。
箱根の山の神投入でも順位は上がらず
前回3位のトヨタ自動車九州は4位、4位のMHPSは8位、5位のコニカミノルタは7位と順位を落とした。トヨタ自動車九州は1区で16位、2区で17位と序盤で下位に低迷した分を、3区から徐々に取り戻し、5区でかつての箱根駅伝の初代山の神と呼ばれた今井正人選手が、区間3位で走り4位につけるのが精一杯だった。
MHPSは、4区を20位でスタートした世界陸上マラソン代表井上大仁選手が区間2位で走り、7位まで順位を上げたが後が続かなかった。
コニカミノルタもスタートで出遅れ3区の22位から徐々に順位を上げていったが、最終7区を9位でスタートした3代目山の神と呼ばれた神野大地選手が、区間12位と本来の走りができず、7位に入るのがやっとだった。
来年に期待、ベスト10に入った愛三工業
前回12位の安川電機が9位、16位の愛三工業が10位とベスト10に入ってきた。
28回連続40回目の出場となる安川電機は2区で6位まで順位を上げたが3区で17位まで後退した。4区以降が頑張ってベスト10に入ったので、3区の不振が惜しまれる。
17年連続17回目の出場となる愛三工業は中部地区予選会で2位となりベスト8を目標に大会に臨んだ。1区を8位でスタートすると、2区で4位、3区では3位に浮上して優勝争いに顔を出した。
4区も4位とよく粘ったが、5区、6区と順位を落とし、結局10位でゴールした。目標の8位入賞は達成できなかったが、来年につながるベスト10だった。