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94回目の箱根を制するのはどこか 有力校、注目選手をさぐる(4)

2017 12/27 15:51きょういち
マラソン
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Photo by filippo giuliani/Shutterstock.com

94回目の箱根を制するのはどこか 有力校、注目選手をさぐる(3)

 2018年の箱根駅伝は青山学院大、東海大、神奈川大の「3強」と言われるが、最も注目をされるのは、昨年の大学駅伝3冠で、箱根4連覇を目指す青山学院大だろう。ここ数年、大学駅伝界を引っ張る王者はメディアへの露出でも他を圧倒する。

 今年は3大駅伝幕開けの出雲で2位。3大駅伝の連勝は「4」で止まった。その時の原晋監督は「距離が伸びる全日本や箱根ではうちが有利」という強気の姿勢を崩さなかったが、全日本でも3位に終わった。

 大学駅伝界屈指の選手層を持ちながら、出雲では東海大のスピードの前に屈し、全日本では選手の調子の好不調が区間ごとに変わって波に乗れなかった。全日本について原監督は「典型的な『デコボコ駅伝』だった」と述懐する。そして、今季の課題はエース級の選手の調子がレースでそろわないことであることを認めた。逆に言えば、ピーキングがあえば、青山学院大は強いともいえる。

青学を支える失敗しない男

 昨季まで3年連続で「花の2区」を走った一色恭志(現・GMO)のような絶対的なエースはいないが、やはり実力者はいる。その中でも気になるのが、「駅伝男」と呼ばれる田村和希の存在だ。

 5000メートルの自己ベストは13分43秒22でチームトップ。1万メートルの自己ベストの28分18秒31は青山学院大記録だ。だが、駅伝男と言われるのはそのスピードにゆえんがあるわけではない。田村は駅伝で「失敗しない男」なのだ。

 過去3大駅伝には8回出場。うち、6回で区間賞を獲得している。最初は1年生の時の箱根4区。今年は出雲、全日本とも区間賞を取った。スピードや、スタミナというだけなら、田村より速い選手はいるだろうが、とにかくロード、駅伝に強い。

 今季は7月に7月に左足脛骨を疲労骨折したが、しっかり駅伝シーズンには間に合った。さすが駅伝男というところか。

 田村は1年生から箱根に出場し続けているので、今回の箱根も勝つと、4年間すべて箱根を走り、全てで優勝した選手になる。

 また、区間賞を獲得すれば3大駅伝の区間賞が「7」となり、日本選手では10回の小林雅幸(早稲田大)に次ぎ、渡辺康幸(早稲田大)と並ぶ歴代2位の記録となる。

 原監督も今回の箱根のキーマンとして挙げたのは、この田村の名前だった。

 「彼をどこへ持っていくか、彼がどう走っていくかで流れが大きく変わってくるかなと思います」

 今回は3区での起用が濃厚か。ただ、策士・原監督がどこに配置するかは、なかなか読めないところではある。

 田村は卒業後、実業団の住友電工に進む。指導者はかつてのスターランナー、渡辺康幸。箱根で区間賞を取り、3大駅伝での区間賞回数を来季からの指導者と同じ「7」にしたいところである。

もう1人のエースはマラソン10代日本最高

 青山学院大のもう1人のエースと言えば、4年生の下田裕太だ。こちらも、田村に負けず劣らず、ロードにめっぽう強い。  静岡・加藤学園高出身。5000メートル13分53秒45、1万メートルで28分33秒77と、まずまずのスピードを持つが、下田の魅力と言えばそのスタミナにある。

 大学2年の時の東京マラソンで2時間11分34秒をマーク。これは10代の日本最高記録であり、現在も学生歴代8位の記録である。

 長い距離を得意とする下田らしく、箱根とは相性がいい。過去箱根は2度走り、いずれも8区で区間賞をマークしている。今回の箱根でも8区の起用が有力視される。

 不安があるとすれば、足の調子か。出雲では両足にマメができ、全日本ではその影響からか、左足に力が入らないような走りになり、区間4位と伸びなかった。

 もちろん、下田自身は最後となる3大駅伝、最後の箱根に執念を燃やしている。

 「箱根だけは譲れない」
 「箱根までには100%の準備をします」

 今季、無冠に終わっている青山学院大。箱根での巻き返しには、田村、下田の両エースの奮起は欠かせない。


(続く)

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