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大学駅伝日本一はどこか!2017年全日本大学駅伝の見どころと概要

2017 9/13 14:03hiiragi
伊勢神宮
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1970年初めての大学駅伝全国大会として創設

「全日本大学駅伝」の第1回大会は1970年3月1日に行われた。当時、大学駅伝の大きな大会は関東学生陸上競技連盟が主催する「箱根駅伝」しかなく、全国の大学が同じステージで競い合い、大学日本一を決められる大会は存在しなかった。

そこでできたのがこの大会だ。地元東海学生陸上競技連盟と朝日新聞名古屋本社主導の下で開催された。1回大会には20チームが集まり、8区間118㎞で争われ、日本体育大学が初代優勝校に輝いた。

「箱根駅伝」は毎年1月2日と3日に行われ、駅伝ファンならずとも関心の高い一大イベントだ。歴史を見ても第1回大会は1920年(大正9年)と古い。それ故に大学男子駅伝の全国大会と思われがちだが、実は関東学生陸上競技連盟(関東学連)主催で開催される地方大会なのだ。従って出場校は関東学連に加盟している大学だけに限られる。

出場チーム数、コース長変遷の歴史

初回3月だった開催日は2回大会からは1月中旬に変更され、1988年20回大会からは現行の11月第1日曜日に変更された。
回を追うに従い、出場チームも増加する。

・1988年20回大会からは関東枠を増やし23チーム。
・1999年31回大会からはさらに関東枠を増やし25チーム。
・2006年38回大会からは東海学連選抜がオープン参加で26チーム。
・2015年47回大会から全日本大学選抜がオープン参加になり27チーム。

コースと区間も変更になっている。

初回8区間118㎞から8区間109㎞の時代や7区間108.9㎞の時代を経て、1992年24回大会から8区間106.8㎞に落ち着いた。
9回大会まではコース途中の踏切で前半と後半に分断されていたが、立体交差化によってレースが1本化されたのも大きな変化だった。

2017年49回大会の各地区学連別チーム割り振り

2017年49回大会には27チームが参加する。

・2016年大会の上位6チームで参加を希望するチーム。
・全国の8地区学連の選考会を勝ち抜いてきた19チーム。
・全日本大学選抜1チームと東海学連選抜1チーム。

全国の8地区学連の19チームは各学連に基本枠として1チームが割り振られ、残りの11チームは前年の成績により各学連に配分される。つまり6位まではシード校として来年の出場権が与えられ、7位~17位までには所属学連の出場枠が与えられる。 ただし、各学連最大枠は15チーム。

2017年は関東学連8、東海学連1、関西学連2が割り振られた。関東学連はこの8チームに基本枠1とシード校6を加え15校が出場する。

8区106.8㎞のコース割とコースの特徴

コースは熱田神宮から国道23号線に出て伊勢湾を左に見ながら南下するコースとなっている。海岸沿いを走るため、最大でも20m以内の高低差しかなく全体的にフラットなコースだ。しいて言えば前半に小刻みなアップダウンが集まっている。距離は8区に全体の20%を割いているため、残りの7区間はそれほど長くない。

その中でも、
1区14.6km、2区13.2kmは比較的距離が長いので、ここで優位に立ちたいところだ。
3区は9.5kmとコースでも最短距離でスピード勝負となる。
4区はやや上りの3番目に長い14㎞、ここで勝負をかけてくるチームも多い。
5区から7区は12㎞程の区間が続く平坦なコースとなっている。
最終8区は各チームエースが揃う19.7㎞の最長区間、一度下って最後に上り坂が待っている。
この上り坂をいかに走るかで各チームの明暗が分かれてきた。

2017年49回大会の注目チームと注目選手

2016年に行われた48回大会の優勝校は青山学院大学だった。
1区8位と出遅れたが2区でトップに立つと、3区からは2位のまま最終8区までつなぎ、最終8区の逆転で優勝を勝ち取った。2016年の青山学院大学は10月の「出雲駅伝」年明けの「箱根駅伝」でも優勝しており、大学三大駅伝を制覇、シーズン3冠に輝いた。

2位となった早稲田大学は3区で1位に立つと8区まで1位でタスキを渡したが、最後の最後で青山学院大学に逆転された。青山学院大学は連覇できるのか、早稲田大学が雪辱を果たすのか注目だ。

個人選手では2区で7人抜きを演じた青山学院大学の田村和希選手、8区で区間賞を取ったケニアからの留学生、山梨学院大学のドミニク・ニャイロ選手に注目したい。