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日本陸上2017まとめ、男子短距離(100m)劇的な結果の決勝戦

2017 8/25 10:07hiiragi
リオオリンピック ボルト
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世界陸上参加標準記録突破者5名のサバイバルゲーム

2017年6月24日、日本陸上競技選手権大会会場のヤンマースタジアム長居は、男子100mの決勝を迎え大いに盛り上がっていた。8月にロンドンで行われる世界陸上競技選手権大会への参加標準記録10秒12をクリアした選手が5人もいたのだ。
10秒04の桐生祥秀選手を筆頭に、10秒06の山縣亮太選手、前日の予選、準決勝と10秒06で勝ち上がったサニブラウン アブデルハキーム選手、予選で10秒08をマークしたケンブリッジ飛鳥選手、6月の日本学生陸上競技個人選手権で10秒08の優勝を飾った多田修平選手と全員が10秒0台という高水準。
誰が勝ってもおかしくない。当然日本人初の9秒台の記録も期待された。

4番目の男、多田修平選手

しかし、最初からここまで盛り上がっていたわけではない。エントリー締め切りの5月29日時点では、10秒12を切っていた選手は3人しかいなかった。桐生選手、山縣選手、ケンブリッジ選手の3人だ。この3人は2016年リオオリンピックで銀メダルに輝いた4X100mリレーのメンバーだ。実績からしても、資格記録からしてもこの3人が3着までを占め、世界陸上選手権への切符を手に入れるものだと思っていた。
ところが、締め切り後の6月10日に行われた日本学生陸上競技個人選手権の準決勝で多田選手が追い風参考ながら9秒94を出す。追い風とはいえ国内での10秒切りは初めての快挙だ。勢いそのままに決勝では10秒08を出し、3人の中に割って入った。
※追い風参考(風速が追い風2.0m/sを超えると各種大会の順位付けはあるが、公認記録としては認められず「参考記録」となる)

5番目の男、サニブラウン アブデルハキーム選手

これで世界陸上への参加標準記録突破者は4人となり、リオリレーメンバーの誰かが外れる可能性も出てきた。そんな中行われた100m予選では、3組に出場したサニブラウン選手が10秒06のタイムを記録した。
サニブラウン選手は2015年陸上世界ユース選手権で100mと200mの2冠を達成、200mではウサイン・ボルト選手の大会記録を塗り替えて、当時から潜在能力の高さは期待されていた。しかし2016年は太ももの肉離れをおこし、オリンピック始めしばらく競技からは遠ざかっていた。これで、世界陸上参加標準記録突破者は5名となり、運命の決勝を迎えた。

雨の中で行われた運命の決勝戦

決勝戦の少し前から大粒の雨が降ってきた。すぐに小降りになったがトラックには水が浮いた。期待された9秒台の夢はこの時点でなくなり、焦点は着順に移った。決勝進出者は、5名の他に準決勝で自己記録10秒30を出した川上拓也選手、10秒27の高橋周治選手、10秒19の九鬼巧選手だ。
スタートでは山縣選手、多田選手、桐生選手が一歩抜け出す。しかし、30m地点でトップに並んだサニブラウン選手が、大きなストライドで抜け出しそのままリード、10秒05の好タイムで優勝して世界陸上の内定を勝ち取った。2着に多田選手が入り10秒16、3着にはケンブリッジ選手が10秒18で入り、桐生選手は10秒26で4着、5着に川上選手が入り、山縣選手は6着だった。

期待が膨らむ世界陸上100m決勝戦

6月26日に発表された世界陸上代表一次発表では、1着から3着までのサニブラウン選手、多田選手、ケンブリッジ選手が代表となり、4着の桐生選手は4X100mのリレーのメンバーとして選ばれた。
世界陸上の男子100mは現地時間8月4日に予選が行われ、8月5日に準決勝と決勝が行われた。ウサイン・ボルト選手最後の大会となる100m決勝は世界からの注目度も高かった。 サニブラウン選手、多田選手、ケンブリッジ選手は予選を通過したが、翌日の準決勝で3人とも敗退してしまう残念な結果となった。
注目の決勝戦は大接戦の末、アメリカのジャスティン・ガトリン選手が9秒92で優勝した。ボルト選手を準決勝で苦しめたアメリカ注目の若手、クリスチャン・コールマン選手が9秒94で2位。ボルト選手は9秒95で3位に終わった。
4X100mのリレーは多田選手、飯塚翔太選手、桐生選手、藤光謙司選手が走り銅メダルを獲得した。世界陸上の4X100mリレーでメダルを獲得したのは、これが初である。優勝はイギリスで37秒47、2位のアメリカが37秒52、日本は38秒04。金メダルを十分に狙える強さを見せてくれた。

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