観戦スポット、スタート地点出雲大社正面鳥居前
出雲駅伝のスタート地点は1998年の10回大会に浜山公園陸上競技場から出雲大社正面鳥居前に変更された。勢溜(せいだまり)の鳥居と呼ばれる出雲大社の玄関口だ。出雲を冠する駅伝のスタート地点にふさわしい。
木製の大きな鳥居を背にして約20人の選手が、一斉にスタートを切る様子は見ごたえがある。鳥居の奥には拝殿に続く参道があり、鳥居の手前には出雲大社と刻まれた大きな石碑がある。ここをスタートした選手たちは出雲大社を後に表参道の神門通りを抜け、第一中継所を目指す。
観戦スポット、第5中継所島根ワイナリー前
終盤も近くなり5区に入ると、コースはアップダウンの連続で、選手には厳しい時間が続く。しかし周囲はのどかそのもの、田園風景の中にブドウのハウスが目立ってくる。
この辺り一帯は島根ブドウの生産地としても有名で、第5中継所の目印となる島根ワイナリーは1986年(昭和61年)に作られた。レンガ色の瓦に白い壁が、遠くからでもすぐわかる建物だ。
島根ワインの生産工程を見学できるほか、ワインの飲み比べやグレープジュースの試飲もできる。ゲストハウスやバーべキューハウスも備えたレジャー施設として年間100万人以上が訪れている。
フィニッシュ地点出雲ドーム前
島根ワイナリー前でタスキをもらった最終ランナーは、一度スタート地点の出雲大社前に戻り、1区と同じコースを走り、第1中継所手前でコースを変えフィニッシュを目指す。フィニッシュ地点は2001年13回大会より浜山公園陸上競技場から出雲ドーム前に変更された。
出雲ドームは各種スポーツや、コンサートなどを行う多目的ホール。駅伝のコースが円周コースで一度スタート地点に帰ってくるため、スタート地点とフィニッシュ地点はそれほど離れていない。スタートを見届けて出雲ホールまで移動しても面白いのではないか。
観光地、出雲大社4種類の鳥居
出雲大社の鳥居は4つあり、それぞれ違う材料でできている。スタート地点の出雲大社正面鳥居は木でできており二の鳥居と呼ばれている。
この鳥居をくぐって出雲大社に入り参道を進むと、松並木の手前に鳥居が現れる。三の鳥居と呼ばれている鉄製の鳥居だ。さらに進むと拝殿入り口に銅製の鳥居が現れる。この鳥居は四の鳥居と呼ばれ江戸時代中期に建てられた国の重要文化財だ。
それでは一の鳥居はどこにあるのか。実は、一の鳥居は出雲大社の外にある。スタート地点から神門通りを南下した高浜川にかかる宇迦橋の手前にそびえる高さ23mにも及ぶ鉄筋コンクリート製だ。十分に歩ける距離なので、一の鳥居から順にたどってみてはどうだろう。
観光地、純日本風旧大社駅駅舎
大鳥居をくぐりさらに南下するとコース左手に旧大社駅がある。この駅はJR大社線の大社駅で、JR大社線が1990年(平成2年)に廃線になると、1997年(平成9年)島根県指定文化財に、2004年(平成16年)には国の重要文化財に指定された。
1912年(明治45年)旧国鉄大社線の開通により開業され、1924年(大正13年)改築された純日本風の木造平屋建て建築物だ。古くからの駅舎らしく、大正風のシャンデリアが30近くも飾られ、1・2等待合室と3等待合室が別にあるなど、非常に興味深い。