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棒高跳アルマンド・デュプランティスは東京世界陸上で世界記録を更新するか?五輪連覇の“鳥人”に注目

2025 1/16 06:00SPAIA編集部
アルマンド・デュプランティス,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

6メートル26の世界記録保持者

2025世界陸上競技選手権大会が9月13日から21日まで東京・国立競技場で行われる。世界トップクラスの選手が集まる大会で特に注目される一人が、男子棒高跳のアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)だ。

2024年8月25日に行われたのダイヤモンドリーグ・シレジア大会で樹立した世界記録は6メートル26。世界歴代2位は1994年にセルゲイ・ブブカ(ウクライナ)がマークした6メートル14だから、いかに飛び抜けた記録か分かるだろう。

1999年、元棒高跳び選手だったアメリカ人の父と、元七種競技とバレーボールの選手だったスウェーデン人の母の間に生まれたデュプランティスは、2015年世界ユース選手権にスウェーデン代表として出場し金メダル。2018年のヨーロッパ陸上競技選手権では、屋外で当時世界歴代2位タイとなる6メートル05を記録した。

2020年2月には6メートル17を跳び、ルノー・ラビレニ(フランス)の室内世界記録を更新。同年9月のダイヤモンドリーグでは、長らく更新されていなかったブブカの屋外世界記録を更新する6メートル15を跳んだ。

2021年の東京オリンピックは6メートル02で金メダル。2022年のオレゴン世界陸上を6メートル21で優勝すると、2023年2月に6メートル22の室内世界新記録を樹立し、2023年8月のブダペスト世界陸上も6メートル10で制した。

そして、2024年のパリオリンピックは6メートル25の世界新記録で2連覇。その後、さらに1センチ記録を伸ばして現在は6メートル26の世界記録を持っている。

パリ五輪で世界新記録を樹立したデュプランティス

Ⓒゲッティイメージズ

100メートル走対決も10秒37で勝利

アスリート家系のため、2人の兄と妹もスポーツ万能。長兄アンドレアス・デュプランティスは2009年世界ユース選手権と2012年世界ジュニア選手権の棒高跳にスウェーデン代表として出場した。

また、次兄アントワン・デュプランティスは高校で棒高跳から野球に転向し、ルイジアナ州立大学でチームの通算安打記録を更新。2019年のMLBドラフトでニューヨーク・メッツから12巡目指名を受けてマイナーリーグでプレーした。

アルマンド・デュプランティスも2024年9月にダイヤモンドリーグのエキシビションで、400メートルハードル世界記録保持者のカールステン・ワーホルム(ノルウェー)と100メートル走で対決。デュプランティスが10秒37で勝利し、専門外の種目でも好タイムを叩き出す高い身体能力を証明した。

2025年の東京世界陸上でもデュプランティスは金メダルの大本命。オレゴン、ブダペストに続く世界陸上3連覇がかかる。そして、最大の期待は世界新記録だろう。果たしてどこまで高く跳ぶのか、全世界の熱視線が東京に注がれる。

 

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