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田中希実も人の子?9週連続出場で疲労蓄積か自己ベスト更新ならず

2021 5/16 06:00富田明未
田中希実Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

5000mで東京五輪代表に内定している田中希実

5月9日に国立競技場で行われた、東京オリンピックのテストイベント「READY STEADY TOKYO-陸上競技」で田中希実が1500mに出場した。

国立競技場は田中が去年、セイコーゴールデングランプリに出場し、1500mで4分05秒27の日本新記録を樹立して優勝した場所。今大会は陸上競技の国際競技連盟「ワールドアスレティックス」が世界各国で開催している「WAコンチネンタルツアーゴールド」と併催して行われたテストイベントだった。

田中は5000mで東京オリンピックの日本代表に内定しており、圧巻の走りで陸上界の新星として注目を集めている21歳だ。

3月下旬から9週連続出場

田中は1500mの日本記録を保持しており、自己ベスト更新は日本新記録を意味する。前日の会見では自身の持つ日本記録4分05秒27を目指す走りがしたいと意気込みを見せていたものの、結果は4分09秒10でフィニッシュ。見事に優勝したが、記録更新はならなかった。

今回の結果は日本記録とは3秒83の差である。本人も目標タイムよりかなり悪く、ラストが上がりきらなかったと振り返っている。

田中は3月下旬から9週連続でレースに出場。ハードスケジュールで疲労が溜まっていた可能性が高い。

800mから5000mまで幅広いレースに参加しているが、その中で1500mのレース結果を比較してみよう。

田中希実が出場した1500mの記録


3月21日に行われた高松市の記録会がシーズン初のレースだったが、試合を重ねるごとに調子を上げてきていることが分かる。ただ、4月25日の兵庫リレーカーニバルでは、記録がやや落ちている。

しかし、5月3日に行われた静岡国際女子では800メートルで、自己ベストとなる2分03秒19を記録した。4月18日にマークした2分06秒60と比較すると記録が伸びている。

9週連続の出場でも疲労を感じさせない結果から冬のトレーニングの成果が伺える。一方で、自己ベストを更新するには、しっかりと疲労を抜きながら調整する必要があるだろう。

五輪ランキングでは37位に浮上

連戦の中でしっかりと結果を出し続けたこともあり、東京オリンピックの出場優先順位を示すランキングで、田中は46位から37位にランクアップした。

オリンピック女子1500mには今まで日本から代表選手が出場した前例がない。今回、田中が選出されれば日本初の快挙となる。

女子1500mの参加標準記録は4分04秒20で、自己ベスト4分05秒27の田中は突破していないものの、6月に開催される日本選手権で3位以内に入賞し、7月1日のランキングで45位以内にランクインすれば、オリンピックの出場権を獲得できる。

まずは6月の日本選手権でオリンピックに繋げるために、しっかり疲労を抜いて自己ベスト更新を目指したい。まだまだ伸びしろいっぱいの21歳の今後が楽しみだ。

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