箱根駅伝の成り立ち
箱根駅伝の正式名称は東京箱根間往復大学駅伝競走と言い、毎年1月2日と3日の2日間にわたり行われる大学駅伝の花形の競技会だ。マラソンの父、金栗四三らによって「世界に通用するランナーを育成したい」という願いを込められて誕生した。
往路107.5km、復路109.6km、計217.1kmという距離は競技会の中で最長の距離を誇る。初日に東京から箱根への往路を、2日目に箱根から東京へ復路を走る。
現在のようにテレビ中継されるようになったのは1987年と比較的最近のことだが、このテレビ中継がきっかけで爆発的な人気を誇るようになった。
箱根駅伝に出場できる大学とは
関東学生陸上競技連盟が主催しているため、加盟している関東の大学すべてに出場資格がある。箱根駅伝で関東地域以外の大学を見ないのはこのためだ。
前年に開催された大会においてシード権を獲得した上位10校、事前に行われる予選会に参加し通過した10校の合わせて20校と、予選に通過できなかった上位記録チームから選考される関東学生連合チームを加えた21チームが出場できる。
シード権を獲得できるのは前年大会の上位10校で、シード校は予選を免除される。出場枠の半数がシード校ということで、選手たちは来年のチームの出場枠も賭けて争うことになる。
学生の出場資格とは
まず、関東学生陸上競技連盟に加盟している大学に在籍している学生であることはもちろん、大学が同連盟から処分されていないことも条件になっている。学生の不祥事でチームの出場が停止となる例もあり、学生や駅伝関係者の素行も出場資格獲得に影響すると言っていいだろう。
具体的な例として、2009年には日本体育大学で陸上部所属の学生が不祥事を起こした際には同年の他大会出場停止と推薦取り消し、箱根駅伝の次大会シード権の剥奪という処分が下されている。
箱根駅伝への出場回数
選手に求められる出場資格として出場申込回数が4回を超えないことも条件として挙げられる。この場合予選会のみの出場の場合も出場回数にカウントされる。ただし別個加盟の大学院の選手は出場回数とは関係なく4回まで出場できる。
例えば在学4年間の間に毎年4回走ったら留年した場合次の年は出場できないが、大学院に進学した場合出場回数はリセットされる。大学と大学院では出場大学として別枠の扱いになるということだ。
出場資格に年齢制限はあるのか
1992年までは28歳以下という年齢制限があったが、1993から制限が撤廃された。このため社会人経験を経て再び大学に入学し、箱根駅伝に出場することが可能になる。
有名なのは1996年の大会に出場した中村祐二選手だ。中村選手は実業団を退部した後、山梨学院大学に入学し箱根駅伝に出場したことで話題になった。念願の駅伝出場は3年次の時だった。
しかし途中で足を故障し途中棄権。悔しさに涙する姿は観る人々の心を打ったが、ドラマはそれで終わらなかった。中村選手は翌年の箱根駅伝でエース揃いの花の2区に抜擢され、なんと8人抜きをを演じて区間賞を獲得したのだ。前年のリベンジに多くの人が感動した。
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