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心にぐっとくる!女子レスリングの名場面6選

2016 12/16 20:07
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出典http://www.sankei.com/photo/

人気選手もいて、メディアでも目にすることの多い女子レスリング。心に残る場面や試合を、エピソードと共に紹介する。

勝利とは?スポーツマンシップとは?2006年世界選手権、浜口京子

女子72kg級の決勝。浜口選手は、スタンカ・ズラテバ選手(ブルガリア)の頭突きを顔面に受け、鼻を骨折してしまう。出血と腫れがひどく、大怪我なのは傍目にも明らか。しかし、ズラテバ選手にはペナルティも課せられず、審判団への抗議も通らないまま試合は続行された。浜口は敗戦となり、無念にも優勝を逃す結果となってしまったのだ。
試合後、浜口選手は4ヶ所の鼻骨骨折で全治4か月と判明。後に当該審判の降格処分が決定している。大怪我を負わされての試合続行にも、冷静に相手に立ち向かい、最後まで誠実に試合と向き合った浜口選手。真の勝利とは何なのかを問われる試合、心打たれる場面だった。

悲願のオリンピックで咲く。2012年ロンドン五輪、小原日登美

決勝の相手はアゼルバイジャンのマリア・スタドニク。序盤は積極的な攻撃に押されて、リードを奪われてしまう。冷静さを取り戻した第2ピリオドでは、相手の僅かな隙を逃さず、持ち前の高いレスリング技術を駆使してこのピリオドを奪取。第3ピリオドは絶妙なタックルと見事な返し技で制し、結果、48kg級で日本人初の金メダルを獲得した。
小原選手は試合中に両目のコンタクトレンズを失い、残り時間も分からない状態で戦っていた。「守るな。攻めろ」と、絶えず自分に言い聞かせて。夢に見続けたオリンピックの舞台。苦難を歩んだ天才レスラーが、うれし涙で競技人生の幕を閉じたのだ。

オリンピックへ!苦難に満ちた長い道のり

51キロ級で国際試合8回優勝の「ベストレスラー」だった小原選手。ところが51kg級はオリンピックでは実施されず、アテネにも北京にも活躍の場はなかった。1階級下の48kg級には妹の真喜子選手、上の55kg級には吉田沙保里選手がいて、悩んだ末に55kg級を選んだが、吉田選手に敗れて夢は叶わなかった。絶望の中で二度の引退。失意の果てに実家に引きこってうつ病に。命の危険すらあった。過食で体重は70kgを超えるほどまでにも。
しかし、後輩たちの練習に励む姿に闘志を取り戻し、自衛隊に入隊して再びオリンピックを目指し始めたのだ。命を繋がれ、支えられ、辿り着いたオリンピック。「あきらめずに頑張れば夢はかなう。その過程が大事だった」と小原選手は語っている。

史上初の4連覇!リオ五輪、伊調馨

58kg級の決勝戦。序盤、ロシアのワレリア・コブロワゾロボワ(23歳)からポイントを先取したものの逆転され、終盤まで1ポイントを追う厳しい展開に。あわや時間切れかと思われた残り数秒、しぶとく絡みつく相手から右足を抜き去って背後を取り、逆転勝利を収めた。
貫禄の試合展開で勝ち上がった「絶対女王」が苦戦を強いられた決勝戦。伊調選手はこの勝利によって、オリンピック史上初、女子個人種目4連覇という偉業を成し遂げたのだ。高々と日の丸が揚がった表彰式。中央に立つ伊調選手は君が代を口ずさみ、歌い終わると天井を見上げ目を閉じた。表彰台を降りると右手で作った「4」を。晴れ晴れとした笑顔と共に、世界中に感動を届けてくれた。

涙の銀メダル!2016年リオ五輪、吉田沙保里

階級を53kg級に変更しての決勝戦。相手はアメリカのヘレン・マルーリス(24歳)。吉田沙保里選手は第1ピリオドからタックルを仕掛けるがポイントにはつながらない。マルーリス選手にぐっと手を握られ、離されずにいる場面も続いていた。第2ピリオドになると背後を取られ、逆転を許してしまう。
その後も勝利を信じて果敢に攻め込む吉田選手。最後の1秒までタックルを諦めず向かっていったが、マルーリス選手のガードが硬く、ポイントをリードされたまま試合終了となった。

「彼女はヒーロー」。負けてなお拍手鳴り止まぬ試合

マットに突っ伏す吉田選手。マルーリス選手は天を仰ぐ。健闘を称え合う二人の顔は涙でぐしゃぐしゃになり、会場は大きな感動の渦に包まれた。
勝利したマルーリス選手は試合後、「長い間サオリと戦うことを夢見てきた。彼女は英雄。彼女と試合をできたのが本当に名誉なこと。」とあふれる思いを訴えるように語っている。吉田選手は33歳。年齢からくる体力面やスピード面での課題を技術でカバーしようと、グレコローマンスタイルから学んだ戦い方に変更するなどの努力を重ね、リオオリンピックへと臨んでいた。
4連覇は惜しくも逃したものの、人々の心に刻みつけた感動は計り知れない。まごうことなく素晴らしい銀メダル。記憶にも記録にも残る試合、名場面だった。

まとめ

トップレベルの選手が集まる国際大会では、どの試合も素晴らしい対戦が行われている。ここではその中でも特に心に残る場面、その試合とエピソードなどを紹介した。過酷なスポーツ、レスリング。立ち向かう勇気と勝利の栄光、そして、その道のりへも称賛を送りたいと思う。

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