レスリング伊調馨選手の生い立ちから功績まで

2016 12/9 21:03

Ⓒゲッティイメージズ

レスリングを知らなくても、テレビ番組やCMで伊調馨選手を見たことのある人は多いはず。いつもニコニコしている可愛い印象の伊調選手も努力でオリンピックで4連覇という偉業を達成した。そんな伊調馨選手についてお伝えする。

伊調馨選手のレスリングへの道

1984年に青森県で生まれた伊調馨選手。青森の八戸クラブで兄弟の影響を受け、おむつをしていた3歳の頃からレスリングを始めた。練習はウォーミングアップでその日の調子がわかり、よい時はとことん練習をし、やる気が出ない時は即やめるなど、オンとオフがしっかりしているそうだ。

小さい頃から姉妹そろってオリンピックで金メダルを獲ることが夢だった。そんな伊調馨選手は夢を実現するために、女子レスリングで有名な愛知県の中京女子大学附属高校から中京女子大学へと進学し、好成績を残していく。

伊調馨選手の快挙

全日本に向けて頑張っていた伊調馨選手は、その先のオリンピックを意識して努力をしていた。その努力が実って脚光を浴びたのは、前年世界チャンピオン、世界2位の選手を破って優勝した「ジャパンクイーンズカップ2001」56キロ級だった。

その後、56キロ級では宿敵の吉田沙保里選手の強さに悩まされるが、階級を63キロ級に上げてオリンピックや世界選手権で多数の金メダルを獲得、不敗神話と言われる勢いで好成績を残した。

レスリング63キロ級ではメダル総なめ

2002年から63キロ級に上げ、「ジャパンクイーンズカップ2002」で優勝して念願の日本代表に。アジア大会では惜しくも2位に終わったが、ワールドカップ、世界女子選手権、全日本選手権と連続で初優勝を飾った。

そこからは怒涛の勢いで金メダルを獲得。オリンピックでも女子選手では初めての4連覇を達成し、また、怪我による不戦勝を除いて、2003年から2014年の実際の試合で通算172連勝という見事な成績を残している。

レスリング以外での賞

金メダルのみならず、様々な栄誉賞も受賞した。青森県県民栄誉賞、八戸市市民栄誉賞、青森県県民栄誉大賞2回、八戸市民特別栄誉大賞に加え、2008年と2012年には紫綬褒章も2回受章している。

また、2016年にはリオデジャネイロオリンピックで大会4連覇を達成し、女子レスリングでは2人目になる国民栄誉賞も受賞した。これまでの偉業からすれば、これだけの賞を贈られているのも当然かもしれない。

伊調馨選手の最愛の母

家族の中で唯一レスリング経験がない母、伊調トシさんだが、「勝負事には死んでも勝て」との方針で絶対的な存在であることが、伊調馨選手からの発言からうかがえる。

過去のオリンピックでは欠かさず応援している姿を見ることができたが、残念ながら2014年に他界。2016年のオリンピック優勝直後には、伊調選手が遺影を大切に抱えていた姿が見られた。その時のインタビューでも「最後はお母さんが助けてくれた」と語っている。

まとめ

強すぎて同じ階級には3人しか選手がいなかったという伝説を持つ伊調馨選手。強いだけでなく、インタビューからも常に感謝の気持ちが伝わり、誰もが応援したくなってしまう選手だ。