宮城県で頭1つ抜け出している仙台商業バレー部
近年、めざましい活躍を見せている仙台商業バレー部。2017年のインターハイで5年連続9度目、春高バレーも前回までで4年連続5度目の出場をはたしている。宮城県のバレー強豪校といえば、かつては東北高校が代表的であったが、ここ数年は仙台商業が頭1つ抜け出している印象だ。
さらに、前回の春高バレーでは、過去最高となるベスト8という成績を収め、全国でも徐々に存在感が大きくなってきた。次なる目標は、前回をさらに上回るベスト4、いや、一気に優勝まで駆け上がっていきたい。
選手達の明るさが何よりの武器
仙台商業バレー部の武器は、選手たちの明るさだという。バレーボールではより切り替えの早さが大事になってくる。
野球やサッカー、バスケのように、合計の得点で勝負するのではなく、セット数で勝敗を決めるうえ、セットごとのポイントは次のセットには持ち越されない。なにより、1つのプレーにかかる時間も、非常に短いスポーツだ。
だからこそ、1つの失敗でも必要以上に落ち込むことなく、すぐさま次のプレーに切り替えて行くことが必要になる。そう考えたとき、仙台商業の選手たちの明るさは、大きな武器になる。
昨年の主力は今年もチームの中心
昨年の仙台商業は、2年生が中心のチームであった。そのため、主力メンバーは今年も替わらない。特に安孫子和弥、小林力(つとむ)、鈴木智之は要注目である。3人とも1年生の時からこの仙台商業でレギュラーを掴み、さらに今年の2月には「全日本ジュニアオールスタードリームマッチ」に選出された。
この大会では全国から48人、うち東北地区からは6人の選手を選出することになっていたのだが、そのうちの半分を仙台商業の選手で占めてしまった。同一校から3人も選出されたのは、全国でも仙台商業だけである。
ジュニアオールスターにも選ばれた3人の選手に注目
仙台商業のエースとなるのは、安孫子和弥だ。身長は181cmとそれほど高くはないが、抜群の跳躍力とどんなトスでも打ちきることができる器用さを持ち合わせている。クイックにバックアタックなど、多彩な攻撃が魅力の選手だ。
小林力は186cmの長身に、最高到達点は330cmが武器。安孫子以上の高さからパワフルなスパイクを打ち込んでいく。高さを活かしたブロックも上手く、守備でも活躍できるオールラウンドな選手だ。
前回の春高でもこの2人がWエースとして注目され、2回戦の霞ヶ浦高校との試合では、2人で45得点を上げるほどの大活躍を見せていた。
そして鈴木智之はリベロとして活躍している。とにかく反応が早く、どれだけ早いスパイクでもキッチリと返してくれる、とても安心感のあるリベロだ。ポジション取りもよく、彼がいるだけで相手はサーブやスパイクのコースが限定されてしまう。
昨年の春高から1年、経験値は十分だろう。2018年の春高バレーでも、この3人に注目していきたい。
昨年の記録をさらに上回ることができるか
インターハイでは、2回戦で滋賀県の近江高校に敗れてしまった仙台商業。この試合では、安孫子が徹底的にマークされたことが敗因となってしまった。チームの流れが良くないとき、どこまで守備で粘ることが出来るかが、今後の課題となるだろう。そういった時こそ、持ち前の明るさで乗り切ってほしいところだ。
なんといっても、昨年の春高を経験した選手が多く残っているというのは大きい。2018年の春高では、過去最高の成績を残すことに期待しよう。