大阪の新鋭 「金蘭会」
まず紹介するのは、大阪にある女子校「金蘭会」だ。2007年にバレー部を設置し、さらに大阪府立南寝屋川高校(現・緑風冠高校)を数度全国へ出場させた名将・池条義則監督を招聘。それからわずか10年足らずで全国屈指の強豪校へ成長。2014年にはインターハイ・国体・春高バレーすべてで優勝を果たし、三冠を達成。今年もインターハイで優勝を飾っている。
特に注目したい選手は、宮部藍梨だ。2015年に高校2年生で全日本メンバーに選出され、ワールドグランプリ予選のドミニカ戦ではスタメン出場を果たし大活躍。ナイジェリア人の父と日本人の母を持つハーフで、持って生まれた身体能力に加え180cmの長身を活かしたジャンプは最高到達点3mを超えるとも言われている。今後日本代表のエースとして期待していきたい選手だ。1年生からエースとして活躍しており、今年は最高学年としてチームを引っ張る立場。
日本代表を数多く輩出 「下北沢成徳」
次に紹介するのは、東京の女子校「下北沢成徳高校」だ。OGには木村沙織や荒木絵里香など、日本代表選手を何人も輩出している全国屈指の名門校。2002・03年には春高バレー連覇を達成し、2004年は惜しくも準優勝、3連覇の夢は果たせなかったが(ちなみにその時のエースが木村だ)、名前は全国に広まった。
注目選手は、1年生からエースとして活躍している黒後愛だ。180cmの長身で最高到達点は3m超え、宮部に負けず劣らずの能力を持っている。プレースタイルはやや異なっており、黒後は攻撃だけでなく守備にも定評のあるオールラウンダーだ。もちろん強烈なスパイクは魅力的なのだが、レシーブやトスもしっかりとこなすところが、木村を彷彿とさせる。
今年は春高バレーで頂点を取ったものの、新チームで挑んだインターハイの決勝で金蘭会に敗北。
チームワークで勝ち上がる!「九州文化学園」
最後に紹介するのは長崎県の「九州文化学園」だ。強豪ひしめく九州地区の中でも頭一つ抜けた存在で、昨年はインターハイ・国体の2冠を達成。残念ながら春高バレーは下北沢成徳に、今年のインターハイでは金蘭会に敗れてしまったが、メンバーは十分な実力を持っているので期待したい。
とはいえ、先ほど紹介した2校のように絶対的なエースがいるわけではなく、選手たちの平均身長もそれほど高くない。純粋にしっかりとしたチームワークで勝ち上がった高校だ。35年間指導している井上弘明監督は、とにかく生徒が困っていても手を貸さないという指導をモットーにしており「敵は相手ではなく己自身、心の甘えが敗北につながる」という考えのもと、いろいろな困難を選手に与え、チームで乗り越えさせてきた。そんなチームメイトと共に、全国の頂点を狙う。