Vリーグ観客動員数の推移
Vリーグの最上位リーグであるV・プレミアリーグの2011/2012シーズンから2014/2015シーズンまでの4シーズンの観客動員数を見てみると、女子では平均で約2900人が観戦に訪れているのに対し、男子では約2200人となっています。また、シーズン全体の総入場者数だと、女子では平均約16万人であるのに対して、男子では約12万人と男女で差があることがわかります。
これが下部リーグにあたるVチャレンジリーグになると、平均入場者数、総入場者数は男女ともに半分以下に減りますが、男子よりも女子の方が人数が多いという点に関してはプレミアリーグと変わりません。
男女の差は観客動員数だけでなく、試合の中継数にも表れています。2011/12シーズン?2014/15シーズンにおける地上波での試合の放送数が、女子は26試合であるのに対して男子は0となっています。さらに、BS、CS、インターネット配信も含めた放送数でも女子の方が多く中継されています。
なぜ男女の差が生まれるのか?
同じVリーグであっても男女で違いが生まれる理由はなんでしょうか?ここではバレー界の出来事から観客動員の差について考えたいと思います。
女子に関しては2012/2013シーズンに総入場者数が前年の14万人から17万人へと一気に伸びているほか、試合の放送が前年は37だったものが68に増えています。男子は前年の放送数が29から43へと増えているものの、女子ほどの増加ではありません。
その理由として考えられるのが、女子日本代表の2012ロンドンオリンピックでの銅メダル獲得です。それまでメダルから遠ざかっていた日本代表が28年ぶりにメダルを獲得したことによって、多くの日本代表選手がプレーするVリーグを観戦する人が増えたものと思われます。
一方の男子日本代表は、ロンドンには不出場であるほか、世界選手権やワールドカップでも上位に食い込むことができていません。
このように、テレビ中継などでたくさんの人に見られる可能性がある代表戦において良い成績を残すことが、結果的に観客動員数に影響を与えているのです。
男子は人気がないわけではない?
女子に比べて観客動員数の少ない男子ですが、決して人数が減っているわけではありません。2011/2012シーズンの平均入場者数が2112人だったものが、2014/2015シーズンでは2420人とわずかながら増えているほか、総入場者数に関しても10万1371人(2011/2012)から12万8244人(2014/2015)へと増えているのです。
ではなぜ、増えているのでしょうか?その理由の1つに、代表チームにおける若手選手の台頭が挙げられます。これまで代表では成績を残せていなかった日本代表ですが、近年では高橋健太郎や石川祐希といった大学生選手が代表に選ばれ、未来のエースとして期待され、代表戦の中継でも注目されています。そういった選手の台頭が男子バレーへの期待となり、少しずつ観客動員数が増えているのではないでしょうか。
若手の台頭は1つのきっかけであり、ここから代表チームが結果を残すことで、さらなる観客の増加が期待できるはずです。
バレー界の救世主はまさかのマンガ?
バレー以外の競技を見てみると、その競技の普及に一役買ったマンガの存在があるということがわかります。たとえば、サッカーにおいては「キャプテン翼」の連載によって多くの子供たちがサッカーを始めたと言われていますし、元フランス代表のジダンもサッカーを始めたきっかけが「キャプテン翼」だったと語っています。
その他バスケットボールでは「スラムダンク」、テニスでは「テニスの王子様」などが人気に火をつけるきっかけとなりました。
バレーにおいては、現在「ハイキュー」という男子の高校バレーを題材にしたマンガが「週刊少年ジャンプ」にて連載されています。このマンガの存在が、女子に比べて観客の少ない男子バレーの起爆剤になるかもしれません。
まとめ
Vリーグの観客動員数について紹介してきました。
男女ともに少しずつではありますが右肩上がりの状況です。
代表チームの活躍や新たなスター選手の誕生によって、まだまだ動員数は増えるはずです。
今後のVリーグに期待しましょう。
以上「人気のバロメータ?Vリーグの観客動員数を探る」でした。