ウィンブルドンに突如現れた15歳の少女
突然だが、2004年生まれの女子テニスの新星、コリ・ガウフ(米国)というプレーヤーをご存知だろうか。フロリダでテニスを学んだアフリカ系アメリカ人の少女は18年、14歳で早くもプロに転向。
転向後は特に目立った実績はなく、世界ランキングも313位だった。だが、19年ウィンブルドン予選を全てストレートで勝ち上がり、なんと15歳でオープン化の68年以降最年少での予選突破、本選出場を果たした。
7月1日の1回戦でウィンブルドンの本選デビューを果たしたが、それだけでは終わらない。ガウフは同じアフリカ系アメリカ人として「憧れ」と語ったビーナス・ウィリアムズを破る番狂わせを演じた。ビーナスはウィンブルドンで過去5回の優勝を誇る強敵だが、結果はセットカウント2-0のストレート勝ち。勝利の瞬間ガウフは顔を覆い、涙を流した。15歳の少女の1回戦突破はテニスファンに衝撃を与えた。
その後もガウフの快進撃は止まらない。2回戦では世界139位のマグダレナ・リバリコヴァ(スロバキア)と対戦し、ここでもセットカウント2-0のストレートで勝利を収める。15歳らしいハツラツとしたプレーがファンの目を惹きつけ、見る者を虜にしていく。
そして3回戦ではベスト16をかけ、ポロナ・ヘルツォグ(スロベニア)と対戦。第1セットを奪われ、第2セットも2-5とリードを許し、マッチポイントを2本握られた。しかし、ヘルツォグのダブルフォルトなどでこのピンチをしのぐとそこから追い上げを見せ、タイブレークを制す。第3セットもブレークで先行し、勢いそのままに大逆転で勝利。続く4回戦では元世界1位のハレプに敗れたが、15歳の新星のベスト16進出に賞賛の拍手は鳴りやまなかった。