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錦織とナダルはボディサーブを3倍活用、ジョコビッチ、フェデラーとのファーストサーブ比較

2018 12/24 11:00宮崎二郎
ジョコと錦織,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ジョコビッチ・フェデラーと錦織・ナダルの間で少し違う

テニスはサーブ側が有利なスポーツだ。特に強打しやすいファーストサーブでは、優位に立ってポイントを奪いやすいため高い得点率を維持したい。

では、錦織圭らトッププロが1本目のサービスでどんな戦術を取っているのか。 そこで今回、現在世界ランキング9位の錦織圭と、ノバク・ジョコビッチ、ラファエル・ナダルそしてロジャー・フェデラーからなる「BIG3」のファーストサービスを分析した。

そこからトップ選手4人の戦術の違いが見えてきた。

ジョコビッチとフェデラーはコーナーへのエース狙い

まずジョコビッチとフェデラーのコースへの打ち分け方を見てみよう。中でも興味深いのは「コーナー」を突く配球で、特にデュースサイドからは、サービスボックスのワイドとセンターを効果的に攻めている様子が浮かび上がる。

コース別に配球率を確認するとデュースサイドからはジョコビッチがワイドに43.3%、センターに52%でサービスを放っている。フェデラーもワイドに52.3%、センターに43.3%で配球しており、95%以上を左右に打ち分けている。

ただ、リターナーの正面を突くボディサーブは、ジョコビッチが4.7%、フェデラーが4.4%のサービスを放ったに過ぎず、5%にも満たない低い配球率しかない。

また、反対方向からのサービスであるアドコートでも、基本的に傾向は同じだ。

ジョコビッチはワイドに50.4%、センターに40.9%と9割方をコントロールしている。フェデラーもワイドに50.5%、センターに45.8%のサービスを放っており、両コースへ狙いをつけている事は変わらない。

両選手はサービスエースの獲得率も比較的高い。ジョコビッチがデュースコートで12.7%、アドコートで7.6%と多少の上下はあるものの10%前後をマークしており、ゲームを優位に運んでいる様子が窺える。フェデラーはデュースコートで18.2%、アドコートで17.9%と約5本に1本の割合でフリーポイントを獲得している。

錦織とナダルはボディ狙いで高得点率を維持

一方で、錦織とナダルは異なる傾向でファーストサービスを展開しており、相手の正面を突く「ボディ」狙いが多くなっている様子が分析結果からわかる。

錦織のサービス配球率を見てみよう。デュースサイドでのサービスはワイドに43%、センターに39.3%配球している一方で、錦織はボディに17.8%と20%弱の確率で使用している。 さらにナダルもワイドに35.5%、センターに45%の配球に対して、ボディには19.5%の割合でサービスしている。両選手ともにジョコビッチやフェデラーと比べると3倍以上の確率でボディを狙っていることになる。

またアドコートでも、錦織とナダルは同じ傾向でサービスのコースを選択。錦織がワイドに48.5%、センターに35.8%、ボディには15.7%とデュースサイドと同様に15%前後の確率で打ち込んでいる。 ナダルもワイドには54.8%、センターに27.8%、ボディには17.4%となっており、ジョコビッチやフェデラーよりもボディへ多くサーブを配球している計算だ。

特にデュースサイドで、錦織とナダルは、ジョコビッチとフェデラーのおよそ3倍はボディサーブを選択しており、戦術的な差異があるのがわかる。

ただ錦織とナダルは、サービスエースの獲得率でジョコビッチとフェデラーを下回っており、錦織がデュースコートで7.5%、ナダルも4.3%しかない。アドコートでも、錦織は5.7%、ナダルが2.2%と、ジョコビッチとフェデラーと比べると見劣りする獲得率で、エースで多くの得点を上げられていない。

結果、今回分析した4選手の中で、ジョコビッチとフェデラーはコーナーを突きエースで得点を狙っている。反対に錦織とナダルはボディサーブをより多く使用し。相手正面を突くサーブを有効に使っていると見ることができる。

テニス4人表,ⒸSPAIA

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