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テニス選手でも難易度の高いスピンサーブのコツを教えます

2017 12/30 20:07村正 吉和
テニス
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Photo by Beto Chagas/shutterstock.com

ボールに縦回転を掛けて沈むようにコートに入れるスピンサーブ。回転を掛けながら力を加える点が非常に技術を要する、難しいサーブだ。ただ、サーブのバリエーションが増えると戦術の幅が大きく変わる。そこで今回は、スピンサーブのコツについてテニスプレーヤーを例にして解説したいと思う

スピンサーブの打ち方は斜めに打ち上げるのがポイント

スピンサーブはボール回転の向きと掛け方が非常に難しく、真横の回転を掛けてしまうとスライスサーブになってしまう。
スライスサーブは真横に回転が掛かっているのに対してスピンサーブは右利きの場合は時計の8時の方向から2時の方向に打ち上げるように打ち出す。
これによりボールの軸が斜めになり、バウンドした時に高いバウンドが起きることになる。打ち上げるとボールスピードが遅くなってしまうので、強いスピンサーブを打ちたい場合は筋力トレーニングを行うこともポイントだ。

スピンサーブのコツはボールの位置とラケットの振り方にある

スピンサーブを打つにはラケットで斜めにこすり上げる必要があるため、ボールをトスするときは前よりも真上から後ろへ上げて、頭の後ろからボールをラケットに当ててこすり上げる。その際に、右利きの場合は多少右側にトスすることで、ボールをこする動きがしやすくなるだろう。

またラケットの向きは、相手コートへ向けるというよりも右側に向けて振るような意識を持とう。
ラケットを振りぬく際に手首を返すことで、相手コートへ多少山なり且つ弾むスピンサーブが入るようになる。

強いスピンサーブが打てないと悩んでいる人に

スピンサーブは、山なりになるためにネットを超えやすく、フォルトになりにくいことが1つのメリットだ。しかし、逆にスピードが出ずに相手に強い打球で返されてしまうリスクもある。
強い打球を打ちたい場合は、上へこすり上げるラケットの面の角度を少なくして当てること、あるいは”プロネーション”といわれる腕の回転の力、下半身の軸足側のためる力をしっかり打球に乗せて上げることを意識することがおすすめだ。

まずは自分がどのようなフォームで打っているのかを把握した上で、どのポイントができていないのか見定めて、修正していく所から始めてみてはいかがだろうか?

スピンサーブを得意とするロジャー・フェデラー選手から見るポイント

ロジャー・フェデラー選手の、ワイド、センターへ球速の遅いスピンサーブ、早いスピンサーブを打ち分ける方法は、スピンサーブの打ち分け方の参考になる。
そしてバウンドの高さを回転の掛け方によって調整しているので、相手選手がどのようなバウンドをすると打ちにくいのかも含めて参考になる。

特にワイドへスピンサーブを打つケースが多く、スピンサーブというよりもキックサーブのように右側に大きく切れていくサーブは、スキルの高さを感じさせる。

全てのサーブを同じフォームで打つピート・サンプラス選手

引退した選手の中にもこのサーブの名手がいた。ピート・サンプラス選手だ。同選手はセカンドサーブもファーストサーブ並みに決めてきたほど、威力の高いサーブを安定的に打つことができる選手だった。
その要因はラケットのスイングスピードと、膝を大きく曲げて解き放った時のフォームの安定性で、打たれたボールはスピードだけではなく、非常に重いボールとなりポイントを量産した。

またスピンサーブをほとんど他のサーブと同じフォームで打っている。フォームとスイングまでの軸足の持って行き方や力の動きなどはとても参考になるポイントが多く、是非参考にしたい選手だ。

まとめ

スピンサーブが打てるようになると相手のバックハンド側にボールを跳ねさせることもできるので、ゲームを優位に進めることができる。またスピンサーブを見せることでフラットサーブやスライスサーブをより活かせることにもつながる武器になるので習得していきたい。