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ドロップショットの得意な2人のテニス選手から打つためのコツを学ぶ

2017 10/13 11:07村正 吉和
テニスボール
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Photo by Vaclav Volrab/shutterstock.com

ドロップショットは相手を揺さぶり自分の有利なゲーム展開に持っていくことができるショット。ぜひとも覚えたい武器の1つだろう。ただし、相手に見切られてしまうと一転してチャンスボールになってしまうリスクがある。プロの選手を見本に打つタイミングとポイントについて説明していく。

ポイントは強打をすると思わせること

ドロップショットはネット際にボールを落とすショットだ。そのため、相手に強打を打つと思わせてベースラインより後ろに立っているときに打つと効果的だ。
ただし、通常のフォアハンドと違うフォームで打ってしまうとドロップショットを打つことが相手にばれてしまう。なので通常のショットと同じフォームで上手くボールの勢いを止めるように、上に軽く打つようにするとより相手に返球されにくいドロップショットを打つことができる。

状況的に有利なときに打つとより効果的

相手をコートの端まで追い込んだときや返球が甘くなったときなど、自分がより有利な場面では、相手はこちらがどんなショットを打ってくるか考えを巡らせるため、反応が遅れることがある。そういう場面でドロップショットは非常に効果的だ。
また、返球が甘い際はよりドロップショットを打ちやすいというメリットもある。チャンスの場面で1球見せておくと、次から相手の頭の中に「ドロップショットを打ってくる」という認識を植え付けることができるので、より攻め方のバリエーションを増やすこともできる。

大切なのは1発で決めようと思わず相手を崩そうとすること

ドロップショットは先述のとおり、相手に拾われてしまうとチャンスボールになってしまう諸刃のショットだ。かといって必ず決めようとネットすれすれの際どいショットを狙うと、当然ネットに掛かるリスクも上がる。
有利にゲームを進めるためのショットと考え、決まらなくても良いという気持ちで打ってみると、思った以上に効果を発揮するかもしれない。
たとえ拾われてしまっても相手の返球が再びチャンスボールになることもあるので、次の良い展開へ持っていくための布石の1つとして利用できる。

ロジャー・フェデラー選手のドロップショット

ロジャー・フェデラー選手は、相手コートに深く強いボールを打ち込み、返球が甘くなったときにドロップショットを打つことが多い。そして相手のいないオープンコートに落とすことで、相手にとって取りにくいボールにするのである。
しかし、ドロップショットでポイントを取れないことも多くある。それでも相手の返球を的確なボレーで決めるなど、ドロップショットを決め球以外にもつなぐショットとしても利用している。

錦織圭選手の緩急とタイミングを活かしたプレー

錦織圭選手は巧みなフットワークを活かしてラリーを続け、緩急織り交ぜた様々なショットでポイントを取る選手だ。ドロップショットは「緩」のショットとして得点につなげている。
錦織選手のドロップショットは山なりに打つこともあるが、相手に気付かれて打ち返されてしまうことあるので、あえて出来るだけ低い弾道で打ってみたり、相手の近くのネット際に落としたりと、ドロップショット1つを取っても戦略的に、様々な方法を使って打ち返しにくいショットに変えている。

まとめ

ドロップショットはネットにかかるリスクがあり、また緩いボールのため、打つことに勇気がいるショットだ。ただ相手に拾われてしまったとしても、相手に見せることで戦略の幅は大きく変わっていく。自分のレベルアップのためにチャレンジしてみてはどうだろうか。