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テニス「ウィンブルドン」の歴史の中で特に印象に残る名場面5つを紹介

2017 7/10 10:01村正 吉和
ロジャー・フェデラー選手
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Photo by Neale Cousland/Shutterstock.com

「グランドスラム」の4大会で最も長い歴史を持ち、毎年、様々な名勝負が繰り広げられているウィンブルドン選手権。その中で今回は人々の記憶に残る5つのエピソードを紹介していきたい。

今までの勝利数の記録を塗り替えた白熱した戦い

2009年に行われた決勝戦。ロジャー・フェデラー選手とアンディー・ロディック選手との戦いだった。戦いは接戦でフルセットまでもつれる展開を迎えた。タイブレーク制度がない5セット目、なんと30セットまで一進一退の攻防続き、最終的にフェデラー選手が優勝したのだ。
この優勝でピート・サンプラス選手の「グランドスラム」タイトル数の14を塗り替え、15としたことでウィンブルドンを優勝しただけではなく、同時にグランドスラムの優勝記録も塗り替えた大会となった。

決勝戦最長の試合であり悲願達成された試合

2017年現在も現役で戦っているロジャー・フェデラー選手とラファエル・ナダル選手との2008年の決勝戦。その当時フェデラー選手はウィンブルドンで5連覇を達成しており絶好調だった。6連覇を掛けた決勝戦でナダル選手と戦うことに。
結果は「4時間48分」の決勝戦最長記録の末、ナダル選手がウィンブルドン初タイトルを獲得した。2006年、2007年と同じ顔合わせで戦いながらもあと1歩で優勝出来なかっただけに、念願の初タイトルを獲得となった。
2009年は再びフェデラー選手にタイトルを譲るが、2010年には取り返すなどよきライバル関係でもある2人だ。

大会最長記録を大幅更新でその日中に決着しなかった試合

ロジャー・フェデラー選手とラファエル・ナダル選手の試合が決勝戦の最長記録なら、こちらは大会史上の最長記録だ。それは2010年の第1ラウンド、ジョン・イスナー選手とニコラ・マユ選手の戦いだった。両者一歩も引かずフルセットまで試合が進む。
ここで、タイブレークがないことによる名場面が生まれたのだ。最終セットの決着がつかずに日没順延対応となったのだ。翌日に最終セットから試合が再開されたが、結局その日中でも決着がつかず、再び日没順延となる。3日目も1時間5分の激闘を繰り広げた末、最後は70対68の結果でイスナー選手が勝利した。
世界記録を大幅に塗り替えた試合だったため、特例でそのまま世界記録達成の表彰までされるという異例続きの試合となった。

日本人男子シングルスの記録を達成した試合

現在のウィンブルドン選手権のオープン形式になってからは、日本人の男子シングルスの記録保持者は松岡修造選手のベスト8が最高順位である。記録を達成したのは1995年の大会。3回戦ハビエル・フラナ選手との3時間45分もの接戦をものにした次の4回戦。相手はマイケル・ジョイス選手だった。
第1・第2セットを順調にリードした第3セットに気合いを入れるために放ったのは「この一球は絶対無二の一球なり!」という言葉。その言葉の力もあってか、4回戦をストレートで勝利し、勝ちが決まったときに両手を突き上げてコートを走り回り喜びを爆発させた。ジョイス選手と握手したあとにコートに倒れこみ、何事も全力で行う松岡選手らしい姿だった。

女子シングルスの大逆転の試合

1988年の女子シングルスの決勝。ウィンブルドン6連覇中のマルチナ・ナブラチロワ選手と前年に惜しくも準優勝に終わったシュテフィ・グラフ選手との対決。
第1セットは王者の貫録を見せてナブラチロワ選手がリードするが、第2セットでは2ゲーム連取されてから吹っ切れたのかグラフ選手のパッシングショットが冴え始め、次々と決まっていく。
結果的には大逆転で優勝したグラフ選手。しかも、1988年は年間グランドスラムの達成にオリンピックの金メダル獲得の年間ゴールデンスラムを達成しており、これは史上初の偉業だった。ウィンブルドンではその後も優勝を重ねて7度の優勝を達成した。

まとめ

その年度ごとに色々なドラマがある。是非、日本人選手も歴史に残り続けるような記録を作ってほしい。