ATPランキングってどんなランキング?
そもそも「ATPランキング」とはどのようなランキングだろうか?
まずATPとは、「男子プロテニス協会(Association of Tennis Professionals)」の頭文字を取った、男子プロテニスツアーを運営する団体のことを指す。また、ランキングの種類は「ATPエントリーランキング」と「ATPレースランキング」に分かれ、エントリーランキングは過去52週間の上位18大会の結果に応じたポイントが合算される。「レースランキング」ではその年の1月から0ポイントで始まり、1年間のシーズン終了までのポイントを競う。
テレビで見かけるランキングは「ATPエントリーランキング」が使われることが多い。
ランキングポイントの獲得方法
続いてランキングを決めているポイントについてだ。各テニストーナメントにはカテゴリーという大会の規模が用意されており、そのカテゴリーごとにポイントが定められている。
「グランドスラム」と呼ばれる最高峰の大会、すなわち全豪オープン、全仏オープン、全英オープン(ウィンブルドン)、そしてUSオープンの4つの大会では、優勝すると2,000ポイントが与えられる。
それに次ぐカテゴリーの大会を「マスターズ1000」と呼ぶ。マイアミ・オープンやマドリード・オープン、BNLイタリア国際など、2017年現在では9大会が開催。このカテゴリーでは優勝者には1,000ポイントが与えられる。
カテゴリーごとに優勝、準優勝などの順位によって獲得できるポイントのルールが決められている。
また、獲得できるポイントが高い大会=カテゴリーが上の大会では、ランキング上位の選手にシード権が与えられており、一部除外ルールを除き出場義務が発生する。ポイントが得られる大きな大会では実力者同士がぶつかるように設定されており、ポイントが少ない大会では実力者が少ない代わりに優勝しても得られるポイントが減ってしまうなど、バランスを取っている。
レースランキングとは
「ATPエントリーランキング」が主に用いられることが多いので、「ATPレースランキング」はあまりご存知ない方もいるかもしれない。しかし、レースランキングが重要視される大会がある。それが、毎年の年間最終戦として開催される「ATPワールドツアー・ファイナル」だ。
この大会は他の大会とは異なり、レースランキングで取得ポイントでトップ8に入った選手のみが出場できる。つまりシングルスで8名、ダブルス8組が、年間王者の座を巡って戦う大会。もちろん出場資格の獲得自体名誉なことだが、魅力はその優勝賞金と獲得できるエントリーランキングのポイント。全勝優勝すると約239万ドル(約2億6300万円:2016年度賞金)というグランドスラム優勝と同程度の賞金と、1,500ポイントと高いポイントも獲得できることからも、重要な大会と位置付けされている。
ランキングの上位に入ることで出場機会を得られる大会もあるため、年間ランキング結果も無視できない要素となっている。
ランキング上位にいることは難しい
上記でも触れたが、「ATPランキング」は52週間のポイント推移なので、2016年に優勝してポイントを獲得できたとしても、2017年にポイントを落としてしまうとそのポイント分がマイナスとなり、同じく優勝したとしてもポイント変動なしとなる。
2014年7月7日から122週にわたってランキング1位をキープしてきたノバク・ジョコビッチ選手の凄さが、ランキング制度からも分かると思う。そのジョコビッチ選手ですら、2016年11月6日付のランキングでアンディ・マリー選手に1位の座を奪われている。
ランキング上位をキープするには毎年安定的にポイントを取ることが求められる。ここが上位をキープすることが難しいと言われる理由だ。
錦織圭選手はランキングTOP3に入れるのか?
ここで2017年5月8日時点のランキングを見てみる。
1位はアンディ・マリー選手で、11,270ポイント。2位はノバク・ジョコビッチ選手、7,085ポイント。3位がスタン・ワウリンカ選手、5,685ポイント。4位のロジャー・フェデラー選手は5,125ポイント、5位のラファエル・ナダル選手は4,375ポイントだった。
トップの2選手と3位以下の3選手とは少しポイント差が付いており、大会で勝ち続けていることが分かる。
そして、3位のワウリンカ選手とは2,000ポイント近い差がついた、現在3,650ポイントで8位の錦織圭選手。3月のマイアミ・オープンで右手を負傷してから4月のバルセロナ・オープンを欠場し、マドリード・オープンでの復活を控えている。ここからどこまで追い上げられるかが勝負だ。
まとめ
2017年初めの「グランドスラム」だった全豪オープン。
ランキング上位のアンディ・マリー選手、ノヴァク・ジョコビッチ選手がまさかの序盤で負ける結果となった。
錦織圭選手のTOP3位入りなるかも含めて、2017年も激しく入れ替わるランキングには要注目だ。