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卓球Tリーグ女子、序盤は木下アビエル神奈川が首位 リーグは混戦模様

開幕記者会見に臨む松下浩二チェアマン(中央)と選手らⒸマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

木下アビエル神奈川が序盤戦6試合を終えて首位に立つが混戦模様

Tリーグセカンドシーズンは、8月28日に女子が開幕。アジア選手権やチームワールドカップが控えている為、昨シーズンよりも2カ月早く始まった。中断期間を設けながら、昨年同様4チームが二代目女王を目指してシーズンを戦う。

9月11日終了時点の女子の順位は以下の通り。
(勝利:勝点3、敗戦:勝点0、4-0の勝利(4p勝ち):勝点4、延長負け:勝点1)
1位 木下アビエル神奈川      勝点14(4勝2敗 4p勝ち0回、延長負け2回)
2位 日本生命レッドエルフ     勝点12(3勝3敗 4p勝ち1回、延長負け2回)
3位 日本ペイントマレッツ     勝点11(3勝3敗 4p勝ち0回、延長負け2回)
4位 トップおとめピンポンズ名古屋 勝点8 (2勝4敗 4p勝ち0回、延長負け2回)

木下アビエル神奈川が首位に立ったが、1位から4位まで勝ち点差はわずか6。中断後の展開次第では順位が入れ替わる可能性もある。

ガッツポーズする石川佳純Ⓒマンティー・チダ

Ⓒマンティー・チダ

木下アビエル神奈川はフルメンバーが揃わない中でも、エースの石川佳純と浜本由惟がシングルスで5勝をあげるなど、シングルスで優位に試合を進めている。長﨑美柚と木原美悠が戻ってきて、ダブルスを計算できるようになれば、チーム状況は良くなっていくだろう。

2番手につける昨シーズン女王の日本生命レッドエルフは3勝3敗で2位につけるが、全チームに対して1勝1敗。昨シーズンのシングルスで無敗だった早田ひなが、シングルス4勝4敗といまひとつ調子に乗り切れていないのが、この成績に繋がっているようだ。平野美宇が五輪代表選考のため、年内のリーグ参加に見通しが立たないことも影響しているが、今はこのメンバーで凌ぐしかない。

3位の日本ペイントマレッツは、エースの加藤美優、新加入のタイ出身サウェータブット・スターシニーがチームを引っ張る。9月8日の日本生命レッドエルフ戦では、スターシニー/黄郁雯組のダブルスがストレートで勝利して勢いに乗った。ダブルスで力を発揮できれば、これからの巻き返しに期待ができる。

学生Tリーガーで上位をうかがいたいトップおとめピンポンズ名古屋

現在4位のトップおとめピンポンズ名古屋。昨シーズンは勝点19の最下位だったが、今シーズンは少し雰囲気が違う。

今シーズンはここまで2勝だが、その2勝に貢献したのが学生Tリーガーだ。トップおとめピンポンズ名古屋に所属する学生Tリーガーは以下の通り。

森田彩音 (中央大学)
山本笙子 (中央大学)
梅村優香 (中央大学)
笹尾明日香(早稲田大学)

勝利を喜ぶトップおとめピンポンズ名古屋の選手らⒸマンティー・チダ

Ⓒマンティー・チダ

森田、山本、梅村は中央大学の中心選手で、笹尾は早稲田大学の若きエース。関東学生卓球を引っ張る両大学のエースたちが共闘する。このうち、森田と笹尾はシングルスで勝利し、中央大学でペアを組む森田・梅村組もダブルスで2勝を挙げて、チームの勝利に貢献している。

森田はシングルス3勝4敗、ダブルス3勝1敗と共にチームの勝ち頭。梅村と組んだダブルスについては「慣れるのに時間がかかったが、最後は強気な姿勢でプレーできた」と手応えをつかんでいた。

笹尾はシングルス1勝1敗。特にデビュー戦となったカットマン相馬夢乃(日本ペイントマレッツ)との対戦はお見事だった。強烈なフォアハンドドライブを武器にする笹尾だが、この日はバックサイドでつなぐことを意識していた。「いつもと違う雰囲気で緊張はしたが、試合ではあまり緊張を出さないようにした。相手のラバーが、バックが裏でフォアが粒高だったので、あまりフォア側に打ち過ぎないようにと考えていました」とデビュー戦とは思えない落ち着きぶりで勝利に貢献した。

学生Tリーガーはこれから学生の大会へ優先的に出場する為に11月開催の4試合は欠場するが、12月には戦列に復帰できる見込みだ。(女子の10月開催は無し)学生Tリーガーが戦列に復帰して復帰前と同様、いやそれ以上のパフォーマンスを見せることができれば、昨シーズンのように早々と下位に低迷することにはならないだろう。

日本ペイントマレッツも同様にシングルスで戦える体制を維持して、ダブルスで強みを出すことができれば、4チームが団子状態で終盤を迎えることも可能だ。Tリーグを盛り上げるためにも、トップおとめピンポンズ名古屋、日本ペイントマレッツの奮起に期待したい。