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【Tリーグレギュラーシーズン終了】初代王者は?プレーオフファイナル展望

卓球,Tリーグ, 木下マイスター東京,岡山リベッツ,木下アビエル神奈川,日本生命レッドエルフ,Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

プレーオフ進出チーム決定

2018年10月24日に開幕した卓球プロリーグ「Tリーグ」。開幕戦として、男子の木下マイスター東京とT.T彩たまが対戦し、新たなTリーグの歴史は始まった。そして、2月24日にレギュラーシーズンは終了。最終順位は以下の通りとなった。

【男子】
1位 木下マイスター東京  勝点47
2位 岡山リベッツ     勝点42
3位 T.T彩たま      勝点35
4位 琉球アスティーダ   勝点24

【女子】
1位 木下アビエル神奈川       勝点60
2位 日本生命レッドエルフ      勝点43
3位 日本ペイントマレッツ      勝点22
4位 トップおとめピンポンズ名古屋  勝点19

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男子は木下マイスター東京と岡山リベッツ、女子は木下アビエル神奈川と日本生命レッドエルフが勝ち上がり、3月17日に両国国技館でプレーオフファイナルが開催される。この男女それぞれファイナルの対戦カードを見ていく。

「ダブルスを制した方が優位に立つ」男子・木下マイスター東京VS.岡山リベッツ

シーズン序盤は木下マイスター東京が、#0水谷隼・#17張本智和の2大エースを中心に独走をしていたものの、昨年の終盤から負け数が増えて足踏みをしていた。一方の岡山リベッツはこの2月で6勝2敗と好成績を残し、順位がシーズン終盤まで確定できなかった。

岡山リベッツの躍進は、第1マッチのダブルスで1マッチを取ることはもちろん、シングルスで計算できる選手が増えてきたということだ。特に、世界選手権日本代表にも選ばれた#20吉村和弘の成長が大きい。ビクトリーマッチにおける強さも証明している。

2018年11月25日・12月27日の対木下マイスター東京戦で、吉村はビクトリーマッチに出場し、2回とも張本と対戦して勝利を飾っている。シーズン通じてシングルスは8勝7敗に終わったが、8勝のうち4勝は木下マイスター東京からもぎ取っている。だからこそ、岡山リベッツとしては吉村で1マッチ獲得できれば、ダブルスと合わせて優位に立つことができるのだ。


木下マイスター東京は、何と言っても水谷・張本が控えている。この2人が確実に勝利を飾れば優勝に大きく近づく。しかし、簡単に勝てないのも事実だ。水谷・張本のシングルスに負担をかけないためにも、まずは第1マッチのダブルスで1マッチを取ることが大切だ。おそらく、木下マイスター東京は水谷と#22大島祐哉のペア、岡山リベッツはダブルスの個人ランキング1位#45森薗政崇と2位#15上田仁ペアで挑むだろう。

木下マイスター東京としては、ダブルスに絶対の自信を持つ岡山リベッツペアの出鼻を挫くことに成功できれば、その後に控えるシングルス3戦を楽に戦うことができる。

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色々分析すると、男子プレーオフファイナルは、第1マッチの勝敗で優勝が決まるといっても過言ではない。木下マイスター東京の水谷・大島ペアは全日本選手権を制するなど実績も残している。ぜひ第1マッチのダブルスから注目をしてほしい。勝ったチームが初代王者に大きく近づくはずである。

「第4マッチまでに決着できるか」女子・木下アビエル神奈川VS.日本生命レッドエルフ

女子は木下アビエル神奈川と日本生命レッドエルフがプレーオフファイナル進出を決めた。これは大方の予想通りではないだろうか。

2チームの対戦成績は、木下アビエル神奈川の5勝2敗で、データを見る限り、木下アビエル神奈川が優位に見える。日本生命レッドエルフは、#1平野美宇、#18早田ひなの2枚看板が中心。しかし、平野・早田の2人が揃った状態で、木下アビエル神奈川と対戦したのはわずか1試合。その時は、日本生命レッドエルフが勝っている。

よってレギュラーシーズンのデータはあまり参考にできないが、早田はTリーグシングルス出場試合を全勝で終えており、ビクトリーマッチも経験し勝利を飾っている。もし第5マッチまでもつれたとしても、日本生命レッドエルフにとってみれば、早田が控えているというのは大きい。

木下アビエル神奈川は、エース#7石川佳純を中心に、安定感抜群の試合運びを見せてきた。#11袁雪嬌 (エン シュエジャオ)もシングルスでは石川に次いでチーム2番目の14勝を挙げている。シングルスで石川と袁がシーズン通りの活躍を見せることができれば優勝に大きく近づく。

優勝を決める上で大きなポイントは、いかにシングルスで勝負できるかだろう。お互いにシングルスで計算できる選手が揃っているからこそだ。

早田は石川に、レギュラーシーズンで勝利をしている。先日行われたポルトガルオープンでも優勝を果たし、一番波に乗っている選手と言っても良い。早田はこれまでレギュラーシーズンでダブルスの起用が無いため、シングルスの起用が有力視されている。日本生命レッドエルフとしては、早田で確実に1マッチを取ることが必須だ。

そして、もう一人の看板選手である平野美宇の調子がどこまで戻っているのかも大事である。石川には良いところがなく2連敗を喫している。対戦カード次第だが、もし石川と対戦になった場合、この試合がTリーグ初代王者を決める上で大きな分岐点だ。

木下アビエル神奈川は、シーズンを通じて大きく成長した#51木原美悠に期待したい。ダブルスでは、長くコンビを組んでいる#15長崎美柚とのペアで確実にマッチを奪取し、シングルスでも平野・早田らエース格を下すことになれば、木下アビエル神奈川に大きく流れが傾く。

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1月に行われた卓球全日本選手権では平野美宇を下し準優勝という結果を残した。驚異的な成長を遂げている木原がプレーオフファイナルでも活躍できれば、初代王者に大きく近づく。

第5マッチまでもつれた場合は早田が控える日本生命レッドエルフが優位。木下アビエル神奈川としては、第4マッチまでで勝負を決めたいところだ。