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卓球Tリーグ女子開幕、日本生命・平野が2勝を挙げチームの白星に貢献

2018 10/29 19:06マンティー・チダ
平野美宇,Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

【前半】日本生命・早田ひなが強気に攻めて名古屋・チェンに初勝利

10月25日、Tリーグ男子に続き女子も開幕した。開幕戦はTOP名古屋(以下名古屋)と日本生命レッドエルフ(以下日本生命)の顔合わせに。男子と同じく4マッチ制(ダブルス1戦、シングルス3戦)で行われた。

第1マッチはダブルス戦(2ゲーム先取)、名古屋(#5森薗美咲、#89ウー・チンラン)VS. 日本生命(#1平野美宇、#6チャン・チェンチェン組)。

第1ゲーム、日本生命は7-5から平野のバックハンドから4連続得点で先取する。第2ゲームに入って、名古屋ウーのフォアハンドなどで4連続失点を喫するが、平野のサービスが相手のレシーブアウトを誘い、さらに5点連続で加算する。一時はミスも重なり1点差まで詰められるが、平野のバックハンドから、最後はチャンがドライブとサーブで連続得点とした。11-7でゲームを奪った日本生命がゲームカウント2-0で第1マッチを制した。

第2マッチはシングルス戦(3ゲーム先取)、名古屋(#30チェン・イーチン)VS.日本生命(#18早田ひな)。

第1ゲーム、お互いにサービスゲームを制し、互角な戦いを展開するが、相手のミスに乗じて得点を重ねたチェンが11-5でゲームを獲得。第2ゲーム、出だしからチェンが3連続で得点するが、早田も緩いボールで緩急をつけ1点を返すと、ここから強気にフォアハンドを決め続け、一気に逆転。その後もサーブやチキータで得点を重ね、今度は早田があっさりと11-4でゲームを取り返し振り出しに戻す。

早田ひな,ⒸT.LEAGUE

ⒸT.LEAGUE

第3ゲームに入っても、早田の勢いは止まらない。全てのショットが冴え、11-2でゲームを制す。第4ゲーム、チェンが5-2でリードするなど、ペースを握っていく。しかし、じりじりと追い上げを図った早田は5-7から、チェンのレシーブアウト、フォアハンド、チキータなど7連続得点を達成し、11-7で勝利。これにより日本生命がゲームカウント3-1で第2マッチを制した。

【後半】日本生命・平野美宇が、名古屋ソ・ヒョウォンとの激戦を制する

第3マッチはシングルス戦(3ゲーム先取)、名古屋(#10ソ・ヒョウォン)VS.日本生命(#1平野美宇)。

第1ゲーム、立ち上がりから両者ともサービスからのゲームで得点を重ねる。10-10となってジュースとなるが、ソはエッジボールなどラッキーな得点もあり12-10で先取に成功。第2ゲームに入ると、ソがカットで粘りながら前に出て3点を先取する。しかし、平野も負けじと応戦、ソの空振りも手伝って5-5の同点とする。その後は両者一歩も譲らず、9-8と平野がリードして終盤にペースをつかむと、強打で11点目を獲得し、11-9でゲームを制する。

第3ゲームは名古屋が先行し、日本生命が追いかける展開に。7-10と相手にゲームポイントを奪われた平野は、ここから粘りを発揮。ラリーを制し、9点目を挙げると、最後はスマッシュを炸裂させこのゲームを奪う。

平野美宇,ⒸT.LEAGUE

ⒸT.LEAGUE

第4ゲームに入って、平野は6連続得点でさらに勢いをつける。しかし、ソは5点ビハインドから相手のミスを誘い、点差を詰めて同点に。ジュースまでもつれ込むが、最後は平野のスマッシュミスで勝負をつけたソがこのゲームを奪う。

第5ゲーム、6-6のスタートから両者1歩も譲らない展開となり、10-10でジュースに。11-11から平野は強打で決めるなど2点を加算して13-11で勝利した。これにより、ゲームカウント3-2で平野が制し、日本生命の勝ち点3が確定した。

第4マッチはシングルス戦(3ゲーム先取)、名古屋(#3エリザベタ・サマラ)VS.日本生命(#11チェン・ズーユ)。互いに1ゲームずつ獲得し迎えた第3ゲーム、サマラが6連続得点で11-5とゲームを獲得すると、第4ゲームに入ってもチェンを圧倒し、このマッチを奪い、日本生命の勝ち点4獲得を阻止した。

これにより、マッチカウント3-1で日本生命が勝利を決め、勝ち点3を獲得した。

平野美宇が1日2勝「焦りもあったが、引きずらないようにした」

開幕戦を勝利で飾った日本生命レッドウルフ。1954年に創部し、65年の歴史を持つ強豪チーム。五輪や世界選手権に多くの代表選手を送り出した。ロンドン五輪女子代表監督を務めた村上恭和監督も「ロンドン五輪以来の緊張を味わった」と話す。

「3-2で負けそうなオーダーだった。早田はこれまで勝っていない選手に初めて勝ってくれた。平野は勝率として良かったけど、緊張していましたね」と勝利者インタビューで発言した後、記者会見の席上で「ダブルスが不安だった」と本音を漏らした。

「ダブルスの組み合わせを決めたのは、開幕戦当日。一番不安だったところが勝ってくれたので、自分の仕事は終わったかな。この日のベンチも30年間引き継がれたチームワークによってもたらされたものだった」と振り返る。

開幕戦で大車輪の活躍を見せたのは平野美宇。「前日の男子開幕戦の雰囲気を見て、そこから緊張していた。初勝利を飾れてうれしい」と笑顔でコメントした。

ダブルスで2-0と完勝した後に迎えた、名古屋ソ・ヒョウォンのシングルス戦は壮絶だった。

それはスコアにもあらわれている。第1ゲームから12-10、9-11、10-12、12-10、11-7。5ゲーム中3ゲームでジュースまでもつれての大接戦。

ソは韓国人のカットマン。卓球では、速い球で打ち合いをしながら試合を進めることが多い。その中で、カットマンとは、台から離れ、上から下へのスイングで下回転をかける守備的打法をする選手を指す。しかし、いつもそのように下回転をかけるのでもなく、時には台の近くまで進み、強打を打ち込むこともある。

ソはカットを駆使しながらも意表をついて、強い打球で平野を翻弄していた。しかし、最後は平野が粘って接戦をものにする。

ソは試合後に「前日から準備をしていたが、残念な結果に終わった」と話すように、第3ゲーム、第4ゲームと互角に戦いを演じたが、あと一歩及ばなかった。一方の平野は「中国リーグで似たような仕組みを体験していて、いつも中国選手に勝つことができていなかった。その反省を開幕戦で生かせて良かった。第4ゲームはリードしていて落としてしまい、焦りもあった。でも引きずっていたら6-6からだとすぐに終わってしまうので、忘れて気持ちを切り替えて臨んだ」と心境を語った。

平野が1日2勝を挙げて、チームの勝利に貢献した。役者がしっかり活躍しTリーグ開幕に華を添えた。