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メディアの注目度が高い「卓球」、強い国はどこ?日本の順位は?

2016 10/12 03:34
卓球
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Photo by dwphotos/Shutterstock.com

リオオリンピックを境に注目度がうなぎのぼりの卓球。テレビでも特集が組まれるなど、メダリストを中心にメディアから引っ張りだこの状態だ。 中国は世界でも卓球の強豪国として知られているが、他に卓球が強い国はどこかご存じだろうか? この記事では卓球の強い国とその理由に迫ってみた。

卓球の世界チャンピオン、中国に燦然と輝く戦績

「卓球の強い国」としては、まず中国の名を挙げないわけにはいかない。現在、卓球の世界チャンピオンは文句なく中国だ。その強さは断トツに抜きん出ていて、男女ともに国別の世界ランキングで第1位に君臨している。また、選手個人の世界ランキングでも、男女の第1位から第4位までを中国の選手が独占している。
2016年3月には卓球の世界選手権がマレーシアで開催され、男女とも中国が優勝、いずれも準優勝だった日本は、文字通り中国の壁に跳ね返された形だ。そして8月のリオオリンピック。ここでも団体は男女とも中国が金メダル、シングルス決勝は中国の選手同士で行われたため、金銀のメダルをすべて中国が獲得した。

「卓球王国」中国の強さに迫る

現在の卓球界には対抗できる国が存在がしないほど強さが傑出している中国。技術研究への精励は際立っており、対戦国の選手が口を揃える技術力の差となって表れている。
しかし、中国の強さの理由はそれだけではない。 1949年に現在の中国が建国された際、同時に卓球が国技として制定された。そして中国は、国技の卓球で世界的な選手を育成するプロジェクトを開始、国家レベルでそれを支援してきたという歴史的背景がある。国家の支援とは、もちろん金銭面も含まれる。最先端の設備や多くの大会設立、膨大な賞金といった投資が卓球に対して行われているのだ。
そして、年齢的なカテゴリーを強制しないことも、より優秀な選手を生み出す要因となった。つまり、強い選手なら小学生でも大きな大会に出場し、多額の報酬を得られるわけだ。このシステムが繰り返され、優秀な選手が引退後に指導者として選手を育成することで、現在の中国の地位が確立したのだ。

停滞気味のヨーロッパ勢で気を吐くドイツ

卓球の起源はインドの「ゴッシマテニス」やフランスの「ジュ・ド・ポーム」が挙げられるが、現在の形による競技はイギリスで生まれた。1921年に世界初の卓球協会がイギリスで誕生するなど、元は欧州から伝わったスポーツだ。 現在の国別ランキングでも欧州の数ヶ国がトップ10入りしているものの、かつての隆盛に比べると停滞気味であるのは否めない。
その中で、ドイツは国別で男子2位、女子9位と気を吐いている。 ドイツは、元世界ランキング1位の実績を持つティモ・ボル選手や、今やエースとして活躍するドミトリ・オフチャロフ選手などのトッププレーヤーを輩出して欧州勢をリードしている。研究熱心で努力を惜しまないドイツの国民性と、アジア人にない体躯が繰り出すパワー溢れる打球、日本の有能な選手も参加するプロリーグ、ブンデスリーガの存在が、その強さの秘訣といえる。
また女子では、ハン・イン選手やシャン・シャオナ選手といった中国からドイツに帰化した選手の活躍も目立っている。

偉大な監督と3人の帰化選手が作り上げた新興勢力シンガポール

卓球におけるシンガポールは、ここ10年未満で飛躍的に力をつけた新興勢力だが、目立つ戦績はほとんど女子に限られている。国別の世界ランキングでは男子の26位に対し、女子は3位とその躍進ぶりが顕著に表れている。
シンガポールの卓球女子代表を世界の強豪に引き上げたのは、元中国代表の周樹森監督と、中国から帰化した3名の選手の実力によるところが大きいといえる。特に、周樹森監督とフォン・ティエンウェイ選手が果たした貢献は多大なものがある。
周樹森監督は、日本代表として2000年代に活躍した新井周選手の父としても有名だが、中国の超級リーグでトップ選手を指導してきた名監督だ。北京チームの監督を勇退した後の2009年からシンガポール女子代表監督に就任した。
フォン・ティエンウェイ選手は世界ランキングで最高2位になった超一流選手。今年で30歳となったが、その実力はまだまだ健在だ。 監督、選手ともに中国が生んだ才能だが、その力がシンガポールの選手たちに受け継がれれば、将来中国を脅かす存在となるかもしれない。

再び上昇気流に乗り始めた日本の卓球界

日本はかつて「卓球界の盟主」として不動の地位を築いていた。1950年代から70年代頃までは、現在の絶対王者である中国に圧勝するほどの実力を誇っていたが、その後は低迷期を過ごしてきた。
しかし、「元祖天才卓球少女」の福原愛選手が登場してメディアの注目を集めてから、再び世界の強豪国として上昇カーブを描き始める。石川佳純選手の台頭もあって女子が躍進を果たすと、つられるようにして男子も世界大会で実績を挙げ始めた。 先述したマレーシアの世界選手権では男女ともに準優勝。
リオオリンピックのシングルスでは、水谷隼選手が日本初のメダル獲得という快挙、団体では男子が銀メダル、女子が銅メダルに輝いた。 男子の有力選手たちは国内リーグのほか、ドイツのブンデスリーガに参戦して実力を磨いてきた。
一方、女子の中心選手は中国のリーグで力をつけてきたことが実を結んでいる。 現在の国別世界ランキングでは男子が4位、女子が中国に次ぐ2位となっており、近い将来に中国の牙城を崩せるか期待が高まっているところだ。

まとめ

その他にも香港(五輪などでは中国と分かれ「地域チーム」として参加)、韓国、タイペイ(香港と同じ扱い)などが世界ランキングの上位に名を連ねていて、これらは中国または日本から影響を受けている。 ヨーロッパ諸国ではドイツの他にフランス、オーストリアなどが健闘しているが、現状で上位国とはレベル差がある。スウェーデンは1980?90年代にかけて、特に男子で世界屈指の存在となっていたが、その後は若手の伸び悩みなどから勢いを失っている。 総体的に見て、卓球は主にアジアとヨーロッパで人気のスポーツだが、現在の構図でいえばアジアが世界を引っ張る存在となっている。

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