シンクロナイズドスイミングの勝敗の決め手
シンクロナイズドスイミングは、制限時間内に伴奏音楽を用い水中で肉体を動かし、その技の完成度やチームの同調性のスコアを競う評定競技です。
勝敗のわかりやすい得点競技と違い、採点は0.1点刻みと算出方法も複雑です。種目の一つであるテクニカル・ルーティンでは定めらた順番で技を演技に取り入れなければならず、その正確性や技の完成度が問われます。
フリー・ルーティンでは技術的な要素に加え、さらに伴奏音楽の演出などの芸術的要素もその評価基準の1つになります。華やかな競技でありながら、選手個々の身体能力はもちろんのこと、チームとしての同調性も問われる非常に難易度の高い競技です。
シンクロナイズドスイミングが強い国
リオデジャネイロオリンピックの結果からみると、日本最大のライバルといえるのはロシアでしょう。今回も金メダルを獲得しており、テクニカル・ルーテイン、フリー・ルーティン共に点差をつけています。
以前はロシアと日本の二強と言われていましたが、今回銀メダルを獲得した中国も近年実力をつけており、今回、順位で負けてしまいました。日本は銅メダルでしたが、4位のウクライナとは接戦を繰り広げその差はわずか1.8点でした。
ロシアはなぜシンクロナイズドスイミングが強いのか
まず国を挙げて競技の強化体制が整っている点が理由の1つです。また、ロシアのバレエの競技人口の多さは世界屈指。
ロシアをシンクロの王座へと導いたタチアナ・ポクロフスカヤコーチはシンクロは未経験ですが新体操とバレエの経験があります。バレエの基礎はシンクロの身体運動と密接に関わっており、選手の練習内容としてバレエが取り入れられているのです。そして長身で手足の長い恵まれた体格も、その強さに一役買っているようです。
中国のシンクロナイズドスイミングが強い理由
体格などは同じアジア勢として日本に条件が近いものの、ロシア同様国策として選手強化に取り組んでいることがその強さの理由です。かつて日本から招聘された井村雅代コーチ(現日本代表コーチ)の存在が大きいでしょう。
井村コーチは、コーチに就任してわずか2年後の、2008年北京オリンピックで中国代表チームに銅メダルを獲得させたのです。2012年のロンドンオリンピックでも銅メダルを獲得しており、それまで表彰台から遠ざかっていた中国を、練習内容やチームの体制、食事制限など改善しここまで引き上げたのです。
日本のシンクロナイズドスイミングについて
2000年のシドニーオリンピック、続く2004年のアテネオリンピック共に銀メダルを獲得し、王者ロシアに迫る実力をつけていた日本代表ですが、それ以降は表彰台から遠ざかってしまいました。
そんな日本代表チームを再びメダル獲得への導いたのは前項でもご紹介した井村雅代コーチです。2014年から日本のコーチに就任し、脱落者が出るほどの厳しい訓練で選手たちを強化してきました。
そしてその復活の兆しはわずか2年後のリオデジャネイロオリンピックでもたらされました。井村コーチ率いる「マーメイドジャパン」が実に3大会ぶりに銅メダルを獲得したのです。
まとめ
いかがでしたか?シンクロナイズドスイミングの強い国についてご紹介しました。低迷期を乗り越え、リオデジャネイロオリンピックで銅メダルを獲得した日本。2020年の東京オリンピックでは、復活の兆しを見せる日本代表「マーメイドジャパン」の活躍に期待したいですね。