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ポセイドンジャパンの出場に沸いた水球、オリンピックの名場面は?

2017 2/9 09:26
水球
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Photo by PhotoStock10/Shutterstock.com

リオデジャネイロオリンピックでは、水球日本男子代表が32年ぶりに出場し、強豪と善戦を繰り返して話題になりました。 ところで、水球のこれまでのオリンピックの名場面には、どんなものがあるのでしょうか?

リオデジャネイロオリンピック、セルビア悲願の金メダル

水球男子の世界で、近年あらゆる大会で上位に進出し、優勝を重ねていたセルビア。そのセルビアにとって、オリンピックでの優勝は悲願でした。しかし、リオデジャネイロオリンピックでのセルビアチームも、序盤は苦戦を強いられました。1次リーグで、初戦、2戦目と引き分け、3戦目は開催国ブラジルの勢いに飲まれ、敗れてしまいました。
しかし、そこから立て直し、迎えた決勝戦。相手は連覇を狙うクロアチアでした。第3ピリオド、一時は6-4と2点差に迫られましたが、そこでエースのフィリポビッチが連続得点して突き放し、11-7で勝利しました。フィリポビッチは19得点で大会の得点王に輝きました。

リオデジャネイロオリンピック、ポセイドンジャパンの善戦

リオデジャネイロオリンピックで、ロサンゼルス以来32年ぶりの出場を果たした水球日本男子代表、ポセイドンジャパン。1次リーグで5戦5敗となりましたが、強豪と十分に戦えることを証明しました。特に初戦のギリシャ戦は見ごたえがありました。
ギリシャは前年に行われた世界選手権3位の強豪チーム。そのギリシャに対して、第1ピリオド、硬さが見える日本は調子がつかめず、0-2とリードされます。しかし、徐々にペースを取り戻した日本は、第2ピリオドを終えて3-4と1点差に迫りました。そして、第3ピリオドで一気に4得点を奪い、7-4と逆転します。日本の大金星かと思われた第4ピリオド、ファウルによる退水の状況をギリシャは見逃さず、残り1分20秒で7-7の同点に。そして残り38秒に決勝点を決められました。日本の未来と世界の壁の両方を感じた瞬間でした。

ロンドンオリンピック、クロアチア悲願の金メダル

ロンドンオリンピック水球男子決勝は、悲願の初優勝を目指すクロアチアと、20年ぶりの栄冠を目指すイタリアの争いになりました。1次リーグ5戦全勝、トーナメントに入っても危なげなく勝ち進んで勢いに乗るクロアチア。対するイタリアは、前年に行われた世界選手権の覇者。今大会もその世界選手権で準優勝したセルビアを準決勝で破って、決勝にコマを進めました。
この試合、クロアチアは序盤は王者イタリアに押され、第1ピリオドを終えて1-2とリードされます。しかし、第2ピリオド、クロアチアは連続得点して逆転すると勢いに乗ります。そのままリードを保ち、8-6でクロアチアがイタリアに勝利しました。

2000年シドニーオリンピック、ハンガリー復活の金メダル

オリンピック男子水球を語るうえで、ハンガリーを外して語ることはできません。ハンガリーは、1932年の第10回ロサンゼルス大会で金メダルを獲得して以来、2008年の北京大会まで9度の金メダルを獲得しています。そんな水球王国ハンガリーも、低迷していた時代があります。1980年のモスクワ大会で銅メダルを獲得してから、ずっとメダルから遠ざかっていたのです。
2000年のシドニー大会も、ハンガリーは苦戦しました。1次リーグでユーゴスラビア、クロアチアに惜しくも負け、3位で決勝トーナメントへ。決勝トーナメントに入ると、初戦で強豪イタリアに勝って勢いづき、準決勝は再びユーゴスラビア戦、今度は1点差の接戦を制しました。迎えた決勝戦はロシアと対戦。うっぷんを晴らすかのように13-6で勝利、古豪復活を印象付けました。

1956年のメルボルン流血戦

2000年のシドニーオリンピック決勝で戦ったハンガリーとロシアですが、歴史をひも解くと、この2つの国で忘れられない出来事があります。それは、メルボルンの流血戦として水球ファンに知られています。 かつて、ハンガリーはソ連の衛星国としてソ連の影響下にありました。1956年10月23日、学生が主体となってソ連からの自由を求めるデモが起こりました。するとソ連軍がハンガリー国内に侵攻し、武力で制圧したのです。
その直後に開催されたメルボルンオリンピックの決勝で、両国が対戦することになりました。ハンガリーは母国の名誉と亡くなった大勢の国民のために戦いました。4-0とソ連を圧倒し、残り1分になったところで、苛立ったソ連のバレンティン・プロコポフが、ハンガリーのエルヴィン・サドルを殴り、サドルは目尻を切ってプールが血で染まりました。これがメルボルンの流血戦と呼ばれる理由で、この残念な出来事が水球史上で一番有名な出来事です。

まとめ

オリンピックにおける水球の名場面を振り返ってみましたが、いかがでしたか? 32年ぶりに出場した日本代表を含め、これからオリンピックの歴史にどんな名場面が加えられていくのでしょうか? 今後も水球に注目していきたいと思います。