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序二段から這い上がる元大関照ノ富士、「東京五輪までに幕内」は可能か

2020 1/16 16:47SPAIA編集部
イメージ画像ⒸJ.Henning Buchholz/Shutterstock.com
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大関から序二段まで“垂直落下”

白鵬、鶴竜の両横綱が相次いで休場するなど、前半から波乱続きの大相撲初場所。そんな盛り上がりをよそに、十両で着々と白星を積み上げる力士がいる。西十両13枚目の照ノ富士だ。

いわずと知れた元大関。身長192センチ、体重180キロの恵まれた体でデビューから出世街道を駆け上がり、関脇だった平成27年5月場所で初優勝。場所後に大関昇進した。当時23歳。モンゴル出身の先輩横綱白鵬や日馬富士、鶴竜に続く日も近いかと思われた。

しかし、右膝のケガを負ってから成績が低迷。糖尿病や腎臓結石、C型肝炎も患い、平成29年9月場所で負け越して大関陥落後も、番付の下降は止まらなかった。

照ノ富士の場所別成績


幕下陥落してから4場所連続全休し、序二段まで落ちた。平幕で上がったり、下がったりする力士を「エレベーター力士」と言うが、エレベーターどころか、「フリーフォール」並みの垂直落下。引退がまことしやかに囁かれた。

しかし、照ノ富士は諦めなかった。平成最後となった平成31年3月場所、西序二段48枚目で7戦全勝。その後も順調に勝ち上がり、令和元年11月場所では7戦全勝で幕下優勝。今場所からの十両復帰を決めた。

十両を3場所で通過が条件

久々に大銀杏を結った今場所では、3日目に元横綱朝青龍の甥の豊昇龍を寄り倒し、5日目には朝玉勢を寄り切って5連勝で単独トップに立つなど、元大関らしい強さを見せつけている。

照ノ富士は東京オリンピックを幕内で迎えることを目標に掲げているという。オリンピック開幕の7月24日に幕内にいるためには、7月場所(7月5~19日)後の番付発表では間に合わない。つまり、今場所を含め3場所で十両を通過する必要がある。簡単ではないが、実現できるかも知れない。そう思わせるに十分な強さが、今の照ノ富士にはある。