大関から序二段まで“垂直落下”
白鵬、鶴竜の両横綱が相次いで休場するなど、前半から波乱続きの大相撲初場所。そんな盛り上がりをよそに、十両で着々と白星を積み上げる力士がいる。西十両13枚目の照ノ富士だ。
いわずと知れた元大関。身長192センチ、体重180キロの恵まれた体でデビューから出世街道を駆け上がり、関脇だった平成27年5月場所で初優勝。場所後に大関昇進した。当時23歳。モンゴル出身の先輩横綱白鵬や日馬富士、鶴竜に続く日も近いかと思われた。
しかし、右膝のケガを負ってから成績が低迷。糖尿病や腎臓結石、C型肝炎も患い、平成29年9月場所で負け越して大関陥落後も、番付の下降は止まらなかった。
幕下陥落してから4場所連続全休し、序二段まで落ちた。平幕で上がったり、下がったりする力士を「エレベーター力士」と言うが、エレベーターどころか、「フリーフォール」並みの垂直落下。引退がまことしやかに囁かれた。
しかし、照ノ富士は諦めなかった。平成最後となった平成31年3月場所、西序二段48枚目で7戦全勝。その後も順調に勝ち上がり、令和元年11月場所では7戦全勝で幕下優勝。今場所からの十両復帰を決めた。