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御嶽海、11年ぶり「大卒大関」取り挑む 9月場所は厳しい取組に

2018 8/19 15:00SPAIA編集部
大相撲,ⒸShutterstock.com
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御嶽海に許されているのは4敗

御嶽海は初土俵から3年半、この9月場所で大関取りに挑む。先場所は13勝2敗、そして負けた2御嶽海は初土俵から3年半、この9月場所で大関取りに挑む。先場所は13勝2敗、負けた2番もあと一歩という力強い相撲で優勝した。大卒エリート力士として将来を期待されていた大器が新たな一歩を刻もうとしている。

勝ち越すと番付が上がるシステムになっている(序ノ口は3勝4敗でも昇格する場合もある)大相撲。関脇から大関に上がる際は勝ち越しだけではなく、3場所で33勝という目安がある。

7月場所で13勝2敗という好成績で優勝を果たした御嶽海は、5月場所に9勝しているため11勝すればボーダーラインである33勝に到達する。

32勝でも大関に昇進するという例はあるが、3月場所で7勝8敗と負け越し、7月場所で3横綱1大関が休場していたことを考えれば、33勝が最低条件になるだろう。 そうなると御嶽海に許されるのは4敗までとなり、3横綱1大関が戻ってくることを考慮すると楽観できる状況ではない。

対戦相手は格上6人、同格1人、格下8人

場所中の成績で取組が決まるため、御嶽海の9月場所対戦相手の番付はまだ出ていない。しかし、番付上位の力士は総当たりになることが多いので、確実ではないがおおよその対戦相手は予想できる。

休場がなければ御嶽海の対戦相手は、格上の横綱の鶴竜、白鵬、稀勢の里、大関の豪栄道、高安、栃ノ心の6人と、同格関脇の逸ノ城1人、格下8人の計15人だ。

格下相手に取りこぼしがなかったとしても格上、同格相手に3勝以上の戦績を残さなければ大関昇進の道は閉ざされることになる。

稀勢の里は7月場所前、万全の体調と言えないものの白鵬と稽古に取り組んだことでメンタル面に明るい兆しを見せた。白鵬と鶴竜は途中休場から巻き返すため、9月場所は万全の状態で臨むだろう。大関昇進直後にカド番になってしまった栃ノ心も死に物狂いで向かってくることは間違いない。追い込まれ必死の格上を相手に、御嶽海は互角以上の戦いをしなければならない。

魁聖、正代、栃ノ心戦がキーポイント

御嶽海にとって最悪なデータがある。それは9月場所の予想対戦力士との過去対戦成績だ。9月場所の御嶽海の予想対戦相手は、上記に挙げた格上・同格の7人と、格下力士である玉鷲、貴景勝、勢、魁聖、豊山、千代大龍、正代、遠藤の8人を加えた計15人。成績や休場によっては2~3人変わることもあるが、大幅には変わらないだろう。下の表は、そうなった際の過去の対戦成績だ。

過去の対戦成績


ⒸSPAIA

今までに勝ち越している力士は玉鷲と勢の2人のみ。他5人は5分で8人もの力士に負け越している。万全の横綱陣、大関陣全員と対戦した上で11勝以上となると非常に高いハードルだ。

しかし今の横綱大関も大なり小なり同じような壁を乗り越えてきた者が大関に昇進している。御嶽海もひるまずこの壁を破りたい。

キーポイントになるのは今まで負け越している魁聖戦、正代戦、栃ノ心戦だが、とりわけ序盤で当たることが予想される格下の魁聖、正代からの取りこぼしは避けたい。
格上の栃ノ心は大きく負け越している相手だが、7月場所で右足親指のケガで途中休場しており、加えてカド番というプレッシャーから動きが硬くなる可能性もある。

過去に大卒で大関昇進を達成した力士はわずか5人。琴光喜以来11年ぶりの「大卒大関」となれるか。まずは、序盤の魁聖、正代戦が大きな山場となるだろう。