白鵬と2017年春場所以来の三番稽古
7月場所を1週間後に控えた7月1日、稀勢の里は愛知県内の神社で土俵入りを披露したが、稽古は行わずに休養をとった。2日は横綱白鵬と2017年春場所前以来の三番稽古。10番取って稀勢の里が2勝8敗と負け越したが、「目覚めた感じはしますね」と充実した表情で語った。
新横綱で迎えた2017年3月場所、稀勢の里は日馬富士との戦いで左大胸筋や左上腕を負傷。けがを押して出場を続け、照ノ富士との優勝決定戦を制して2場所連続優勝を果たした。しかし、翌場所以降は後遺症をはじめ左足首や腰も痛めてしまい、途中休場も含めると7場所連続で休場している。
場所前になると稀勢の里の状態に関する報道が集中する。「今場所はいけるかもしれない」「状態は良くなった」というポジティブな発言があり、ファンの期待は膨らむ。しかし、ふたを開けてみると休場、あるいは黒星スタートで負けが込んで途中休場してしまう。
5月場所前にも、平幕の栃煌山と11番をこなして「1日1日充実している」と語ったが、直前に「左大胸筋痛で約1カ月激しい運動を制限する」との診断で休場を発表する。
6月15日の稽古では、同じ田子ノ浦部屋の大関高安を相手に9勝2敗という成績を収めた。高安も左上腕三角筋部分断裂で5月場所を休場したため本調子ではない可能性もあるが、稀勢の里が復調に向かっていると考えられる。