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関脇・御嶽海は大関とりに挑めるか

2018 4/20 15:30奏希01
力士
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Ⓒゲッティイメージズ

御嶽海の経歴

大関の最有力候補として挙げられている御嶽海。平成29年3月場所では初日から7連勝を果たし、7月場所以来5場所続けて関脇の地位を守っている。
御嶽海は、突き・押しを得意とし、前傾姿勢を保ち下がらない。そのため、しびれを切らした相手力士が引いてしまい、押し切られてしまうようだ。

さらに、平成27年3月場所の初土俵から2番しか休場したことがないという休場の少なさも、大関昇進の好材料と言えるだろう。1場所あたりにもう2番、コンスタントに勝ち星を連ね、大関昇進を現実のものとしてもらいたい。

番付と大関の待遇について

相撲ファン以外で、横綱、大関より下の番付を知っている人はどれくらいいるだろう。大関以下は関脇・小結と続き、相撲で「三役」といえば、一般的に大関・関脇・小結を指し、以下前頭筆頭から前頭16~18枚目までが続く。
ではなぜ大関と関脇では、それほどまでに格の違いがあるのだろう。

まず給料面で2017年に横綱昇進を果たした稀勢の里を例に挙げてみると、関脇・小結時代には169万円、大関昇進時には234万円の月給が支払われた。更に大関昇進によって跳ね上がる傾向がある懸賞金も支払われる。
また「付き人」も、関脇時代の3人から5人に増え、大相撲が東京で開催される際(東京開催は1、5、9月場所)には、両国国技館の地下駐車場が使用可能になる。これによって出待ちのファンに声を掛けられることも少なくなり、勝負前の集中力をそがれる心配がなくなるのだ。

勝負面でいえば、関脇以下だと1場所負け越せば下げてしまう番付も、大関の場合は2場所続けて負け越さなければ陥落することがない。大関から関脇に番付を落としたとしても次の場所で10勝以上挙げれば、また大関に復帰できる。
大関になるには3場所で33以上の勝ち星が目安とされる。つまり1場所当たり11勝4敗以上という好成績を3場所続けなければ、当落線上に乗ることができない。

そのためには、自分より格上の力士にも勝利する必要が出てくる(その場所に出場している横綱と大関の人数にもよるが)。そんな中、11回以上勝ち続ける苦労を想像してもらえば、大関昇進するというのがどれほど困難で大変な事か理解してもらえると思う。

御嶽海の課題

連勝が続き好調のイメージが強い御嶽海だが、大きな課題がある。1月場所で初日から7連勝を飾った御嶽海だったが、その後打って変わって5連敗。一度勢いが止まると、まるで別人のように力を失ってしまう。

スピード出世を果たしたもののクラス分けの優勝は十両しかなく、なかなか好調を維持し続けることができない御嶽海。大関昇進を狙うも、1場所中に5敗してしまうと昇進は遠ざかってしまう。
「負け星を引きずらず、連敗もしない」ためには強い心を持つことが大前提。そして御嶽海の大関取りへの最後の鍵だ。