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“角界のニコラス・ケイジ”栃ノ心が初優勝!2018年初場所を振り返る

2018 2/6 15:51跳ねる柑橘
大相撲
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2018年初場所の幕内最高優勝力士は栃ノ心!

土俵の内外で話題に事欠かない最近の大相撲。土俵外のいざこざはさておいても、元日馬富士が引退し、残る3横綱のコンディションも万全ではない。
2018年の初場所は、三役や平幕でも調子が良ければ優勝を狙えるのではないかと見られていた。

いざ結果を見ても、最も「後がない横綱」とされていた鶴竜が奮闘する一方で、白鵬、稀勢の里は負傷で途中休場。鶴竜、大関高安、そして前頭三枚目の栃ノ心による優勝争いとなり、14勝1敗で栃ノ心が初の幕内最高優勝を果たした。
三賞は殊勲賞と技能賞が栃ノ心、敢闘賞が東前頭十四枚目の阿炎と東前頭十六枚目の竜電となった。番付の上位から中堅の力士が苦しむ中、番付下位の力士の多くが勝ち越したのもこの場所の特徴だったと言える。

横綱としての意地。鶴竜の奮闘

今場所注目されたもののひとつに、3横綱の動向があった。元日馬富士が引退し横綱は3人。鶴竜と稀勢の里は2017年休場を繰り返しており、進退問題もささやかれていた。
白鵬も場所前には土俵外の騒動や、取組み時のクセを指摘され、負傷の程度が不安視されるなど、とても万全とはいえなかった。

いざ場所が始まると、これまでケガに苦しみ続けてきた鶴竜が爆発し、白星を積み上げる。10日目まで無敗をキープする好調ぶりを披露した。
一方で白鵬は、2日目まで連勝したあと2連敗、5日目の琴奨菊戦は不戦敗、6日目から途中休場。稀勢の里も初日に貴景勝に金星を与え、北勝富士には勝ったものの、その後3連敗。白鵬に続いて6日目に不戦敗となり、7日目から途中休場となった。

鶴竜との優勝争いは、平幕栃ノ心が制す

破竹の10連勝を続ける鶴竜に負けじと白星を積み上げていったのが、大関の豪栄道と高安、関脇の御嶽海、そして前頭筆頭の逸ノ城、三枚目の栃ノ心だった。
だが高安と御嶽海は10日目までに3敗、豪栄道と逸ノ城は4敗を喫し、優勝が苦しくなる。そんな格上をよそに、栃ノ心は鶴竜に敗れた1敗を守り勝ち続け、鶴竜に食らいつく。

11日目から鶴竜が大崩れし、これまで課題とされてきた引き癖が出て4連敗となってしまう。しかし栃ノ心は崩れることなく勝ち続け、千秋楽を待たずに14日目に幕内最高優勝を決めた。
平幕力士の優勝は、平成24年夏場所の旭天鵬以来、実に6年ぶり。千秋楽も遠藤を押し出し、14勝1敗という戦績で初場所を終えた。
また技能賞と殊勲賞の三賞ダブル受賞も果たし、初優勝に花を添えた。

栃ノ心優勝に部屋も、床山も、母国も大喜び

栃ノ心は初の幕内最高優勝。端正な顔立ちから“角界のニコラス・ケイジ”と呼ばれている。
地元の格闘技サンボや柔道の有力選手だった栃ノ心は、同郷の先輩力士黒海に憧れて2006年に入門。強靭な体躯をいかした相撲で、みるみる頭角をあらわし、初土俵からわずか2年で初入幕を果たす。
2012年には小結に昇進するスピード出世を見せたが、その後は度重なるケガに泣かされて伸び悩み、一度は幕下にまで落ちた。そこから1年で再入幕を果たすと、幕内力士の常連として戦い続け、ついに優勝に輝いた。

この快挙は、騒動に揺れる春日野部屋にとっても最高の報せとなった。特に1年半後に定年を迎える春日野部屋付きの特等床山、床松は喜びもひとしおだ。
部屋の幕内優勝力士の髷を結う床山にとって最大の晴れ舞台を、定年間近で叶えた。 母国ジョージアでもこの優勝は取り上げられ、ジョージアのマルグベラシビリ大統領は、「ジョージア人として初めて、ヨーロッパ人としては3人目となる優勝を誇りに思う」とのコメントをtwitterに栃ノ心の写真とともに投稿。初優勝を祝福した。

栃ノ心優勝以外も見逃せない初場所の結果をおさらい

栃ノ心が見事な優勝を果たした初場所だが、他にも注目したい結果がある。まず鶴竜が久々に場所15日出場し、2桁勝利をあげたことだ。
優勝が視界に見えてきた11日以降、悪癖を見せて連敗したのは残念だが、2017年は休みがちだった横綱が復調の兆しを見せたことは、角界にとって吉報だろう。一方、白鵬と稀勢の里の休場は残念だった。
特に稀勢の里は、次の場所に進退をかけることになるかもしれない。また先場所で敢闘賞の最年長、安美錦が負傷してしたことも気がかりだ。

2017年に大関昇進と飛躍を遂げた高安が、12勝3敗と優勝争いに絡んだことも明るい知らせだ。番付下位の平幕阿炎と竜電が10勝をあげ、そろって敢闘賞を受賞したことにも注目したい。
阿炎はまだ23歳と期待の若手である。期待と不安が尽きないのがスポーツだが、大阪の三月場所では誰が活躍するのか、いまから楽しみだ。

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