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意外と知られていない大相撲の年間スケジュールを見てみよう

2017 10/13 10:05跳ねる柑橘
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知られざる角界の一年を見てみよう

早速だが大まかに12か月の角界(相撲界)のカレンダーを見てみよう。

1月…一月場所(初場所:両国国技館)
2月…日本大相撲トーナメント、NHK福祉大相撲
3月…三月場所(春場所、大阪場所:大阪府立体育会館)
4月…春巡業
5月…五月場所(夏場所:両国国技館)
6月…海外巡業
7月…七月場所(名古屋場所:愛知県体育館)
8月…夏巡業
9月…九月場所(秋場所:両国国技館)
10月…秋巡業、明治神宮例祭奉祝全日本力士選士権大会
11月…十一月場所(九州場所:福岡国際センター)
12月…冬巡業

メインは本場所だが巡業も大事な興行

一年中行事でびっしりな角界には、いわゆる「オフシーズン」は存在しない。メインとなるイベントはやはり本場所だ。番付表を左右する一場所十五番の取組み(幕内の場合)は真剣勝負の舞台で、年間6回開催される。また本場所の間には全国に巡業に出る。
本場所や巡業などの各種の催しを興行と呼ぶが、力士たちは一年を通してこの興行のため全国を飛び回っている。巡業では取組みだけでなく様々なイベントが行われる相撲ファンと触れ合う機会もあり、角界にとって大切な行事だ。そしてその合間に厳しい稽古を積むのだ。

【1月~2月】初場所と2つの興行

1月に明治神宮で「奉納土俵入り」の儀式が行われ、大相撲の一年は幕を開ける。その後大体1月半ばの15日間にわたり、両国国技館で開催されるのが一月場所だ。
一年最初の本場所ということで、初場所とも言われる。中日(8日目)には天皇皇后両陛下が観戦される「天覧相撲」が行われることが多い。ただし例外もあり、2017年には、初日に行われた。

2月には、節分の豆まき会のような部屋の行事が行われるほか、2月上旬の日曜日にフジテレビ主催の日本大相撲トーナメントが両国国技館で開催される。また毎年2月11日には、同じく両国国技館でNHK福祉大相撲という大会が催される。
取組みが行われるほか、相撲とは関係のない催しに力士が参加したり、女性歌手と力士が歌謡ショーを行ったりもする。

【3月~4月】角界も春真っ盛り

3月には舞台を大阪府立体育会館に移し、三月場所が行われる。大阪で行われることから通称大阪場所。会場は収容人数約8,000人と他の会場と比べると少し狭めなのだが、その分客席が土俵に近いのが特徴だ。また大阪場所に合わせて行われる新弟子検査には、一年で最も多くの志望者が訪れる。
新弟子検査は6回すべての本場所前に行われるが、受験要件に義務教育修了者というものがあり、中学卒業見込みの出た志望者が、卒業してすぐ入門しようと詰めかけるのだ。

三月場所が終わると春巡業が始まる。4月初頭に伊勢神宮で奉納相撲が行われると、そこから近畿、東海、関東の各地を巡業してまわる。多くの地方相撲ファンが力士と触れ合い、取組みを楽しむ。途中で東京に戻って行われる靖国神社での奉納相撲も、この時期の恒例行事だ。
さらに近年では、ニコニコ超会議が行われる幕張メッセに巡業で訪れ、「超会議場所」(幕張巡業)として、ネットメディアとの連携を見せるなどしている。

【5月~6月】感動を呼ぶ夏場所

春巡業を終えると、両国国技館に戻り、五月場所が執り行われる。暦の上では5月だが、夏場所とも呼ばれる。夏場所のエピソードとして有名なのは、2001年の総理大臣杯授与の際の出来事だろう。
小泉純一郎総理(当時)がケガをおして出場し優勝した横綱貴乃花関にかけた「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!おめでとう!」という言葉はその年の流行語にもなった。

夏場所が終わると、稽古の季節だ。次の七月場所が行われる名古屋に向かう部屋もあれば、各地の部屋で稽古を行う部屋もある。また毎年行われるわけではないが、この時期に海外巡業や海外公演を行うことが多い。国交樹立何周年といった様々な記念行事に合わせて行われる。
またハワイなどで行われた際に、現地の有望な若者がスカウトされたこともある。ハワイ出身力士の草分け的存在の高見山大五郎さんもハワイ巡業の際に見いだされた。

【7月】荒れる名古屋

7月は名古屋にある愛知県体育館で七月場所、通称「名古屋場所」が開催される。名古屋場所といえば、1972年に高見山大五郎さんがこの名古屋場所で優勝し、外国人力士優勝の第1号に輝いた場所でもある。
大会運営の点から特徴をあげると、この名古屋場所は本場所で唯一の共催。他は全て日本相撲協会の単独開催なのに対して、名古屋場所は中日新聞社との共催である。そのため場所中は、毎日中日新聞社の懸賞が入っているので注目してみてほしい。
また夏の暑さが厳しい名古屋での開催は、力士にとっても苛酷な場所。体調を崩し休場する力士が多いとされるが、それは前半戦の疲労がたまったところで、この暑い名古屋に来るからかもしれない。それもあってか平幕優勝が過去5回もある。
そのため「荒れる名古屋」などと言われることも。そんな厳しい名古屋場所が終わると、長期間の夏巡業がやってくる。

【8月~10月】夏に伸び秋に化ける

夏巡業は名古屋場所のあとに行われるということもあり東海地方から始まり、北陸や東北、北海道など日本の北に進路をとる。また、関東の中で春巡業で訪れなかった地域などを回る場合もある
。夏巡業の期間は、一年のちょうど折り返しの時期であり、後半に勢いをつけたい力士は稽古に精を出し、夏場所や名古屋場所で負傷した力士はまとまった時間休養をとることで英気を養う。一年の後半に向けての準備期間でもあるのだ。
長い夏巡業の期間が終わると、9月には九月場所、別名秋場所が開催される。しっかりと鍛錬を積んだことで「化ける」力士も多いのがこの秋場所だ。2016年の秋場所でカド番全勝優勝を果たした豪栄道関はまさにその例と言える。

10月には明治神宮例祭奉祝全日本力士選士権大会が行われ、横綱土俵入りが奉納されたのち、両国国技館に場所を移しトーナメント形式で取り組みが行われる。また10月中は秋巡業が行われ、この時も関東や東海地方も回るが、近畿や中国地方への巡業がメインとなる。

【11月~12月】九州力士凱旋の冬

11月には、福岡県の福岡国際センターで十一月場所が行われる。九州で開催されるため通称は九州場所だ。九州出身の力士への熱い声援で知られる九州場所は、年内最後の本場所ということもあり、総決算の気持ちで臨む力士が多い。
また日本相撲協会とNHK福岡放送局との共催で、九州場所前夜祭が催されるのが大きな特徴だ。力士のど自慢といったイベントや、九州出身力士の紹介などがなされ、地元ファンは大いに盛り上がる。

九州場所が終わると、力士達には冬巡業が待っている。九州場所の後ということ、また暖かい地域で稽古を積むために、そのまま九州・沖縄で巡業が行われる。年末には部屋で餅つきなどの行事を行って、一年を締めくくる。そしてまた新しい一年を迎えるのだ。

大相撲ファンは全国に

力士たちに休みはなく、本場所はもちろんのこと、最近の巡業は日本各地だけでなく海外にまで及んでいる。合間の稽古も欠かすことが出来ない日課であり、決して憧れだけで続けられる世界ではない。
だからこそ力士は昔から称え、尊敬され、日本人を夢中にさせる。とても大変な角界の中で頑張る力士たちを、これからも応援していきたい。

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