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夏の成果がここに出る!大相撲2017年の九月場所を予想

2017 8/3 12:07跳ねる柑橘
SUMO,RYOGOKU
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大相撲九月場所とは

大相撲九月場所とは本場所のひとつだ。全15日間の日程で、2017年は9月10日に初日を迎え、9月24日に千秋楽を迎える。会場は、相撲の聖地としておなじみの東京の両国国技館。
毎年9月に行われることから場所名は「九月場所」なわけだが、通称「秋場所」のほうが広く知られているかもしれない。この九月場所を含む「本場所」とは、年に6回行われる大相撲の興行のことだ。力士はそれぞれの段で優勝を目指して取組に臨む。
今回はこの九月場所と注目の力士について取り上げていく。

大化け、復活、愛子様……九月場所といえば

九月場所は「化け」と「再起」がキーワードとされる。直前の本場所は7月の名古屋場所(七月場所)であり、そこから1か月半近く間が空くことになる。その間力士たちは長期に及ぶ「夏巡業」で日本全国を回り、身体を鍛え、技を磨く。ちなみに巡業は本当に全国津々浦々の地方を回るため、本場所を観に行けない相撲ファンとの貴重な交流の場でもある。
そうした角界とファンを繋ぐ活動と並行して、力士は厳しい稽古を積む。そうして力をつけた力士は心身ともに一回り大きくなり、巡業明けの九月場所で大化けすることがあるのだ。また五月場所や名古屋場所で負傷した力士がこの間に治療を行い、巡業で調子を整えて九月場所に臨むといったケースも多い。
また、愛子内親王殿下は大の大相撲ファンであることは有名だが、2006年、2007年に皇太子殿下と雅子妃と家族そろって観戦されたのが、この九月場所だった。

前年の九月場所を振り返ると

2016年の九月場所の優勝は、大関豪栄道関。カド番で迎えたこの場所で、かろうじて勝ち越せるかと注目されていた豪栄道関は、なんと全勝優勝を果たす。日本人力士の優勝は、2016年初場所の琴奨菊関以来4場所ぶりだったが、それ以上に話題となったのが全勝優勝という点だ。日本人力士の全勝優勝は、1996年9月場所の貴乃花関(現貴乃花親方)以来20年ぶりで、記録的な優勝となった。
また、今回注目力士としても取り上げる高安関は東の関脇としてこの場所に臨み10勝5敗。2場所連続で2桁勝利をあげたほか敢闘賞も受賞し、次の九州場所の成績次第で大関昇進と期待がかかった。結果として九州場所では負け越してしまい、大関昇進は2017年に持ち越しとなったが、この時から高安関はその実力をいかんなく発揮していたのである。

番付予想

九月場所の番付で期待されることといえば、横綱と三役が万全の状態で出揃うことだろう。
横綱勢では五月場所で全勝優勝を果たし、見事復活を遂げた白鵬関が今後も君臨し続けるのかが気になる。また2016年の名古屋場所以来優勝から遠ざかっている、日馬富士関の巻き返しにも注目だ。五月場所を休場した、鶴竜関と稀勢の里関の復活にも期待したい。
大関は注目力士が目白押しだ。五月場所で12勝を挙げた大関照ノ富士関、16年に全勝優勝を果たした豪栄道関、そして五月場所で11勝を挙げ見事大関昇進を果たした高安関と、楽しみな力士ばかりだ。
五月場所で殊勲賞を手にした小結 御嶽海関や、同じく技能賞の小結 嘉風関、玉鷲関も好調だ。一方振るわないのが、2016年初場所で優勝した琴奨菊関。大関陥落後も復帰できる成績を残せず、五月場所も負け越してしまっている。名古屋場所、そして夏巡業期間でもう一度調子を整えてほしいところだ。
その他には、五月場所で照ノ富士関と並んで12勝を挙げた栃ノ心関、高安関と同じく11勝を挙げた宇良関など、三役以下にも注目の力士が目白押しだ。夏巡業を前に、調子のよい彼らが巡業期間にどれだけ「化ける」のか期待したい。

注目力士1:高安関

ここからは、注目力士をピックアップして見ていこう。まずは五月場所に二けた勝利をあげ、見事大関昇進を果たした高安関だ。
升ノ山関と共に平成生まれで初の関取となった高安関は、2011年の名古屋場所から幕内で戦い続けている。2017年は初場所で敢闘賞、三月場所で殊勲賞、そして五月場所では技能賞を受賞しており、伊達に大関昇進を成し遂げたわけではない調子の良さがうかがえる。
186cmの体躯での突き押しが得意だが、器用さもあわせ持っており、ぶつかってそのまま突っ張りを繰り出す相撲から四つに組んで捻りを加えることもできる。
顔と体毛の濃さで話題と人気を集める高安関だが、取組についてはメンタルの強さが指摘されている。場所中では序盤に負けが込んでも気持ちが折れることなく、場所が終われば勝ち越しているということが多い。また、大一番でも冷静に状況を判断し、相手をいなす場面も多い。
2017年は五月場所まで二けた勝利をキープしており、このまま大関としても白星を重ねていけば、綱取りの可能性も見えてくるかもしれない。そのためにも名古屋場所と夏巡業でも調子をキープし、九月場所に臨んでほしいところだ。
余談だが、高安関の四股名は本名。大関まで上り詰めた力士で四股名が本名のままというのは、近年の大相撲では珍しい。四股名について高安関は、家族の苗字で戦うことを誇りに思っているとコメントしている。

注目力士2:宇良関

続いては宇良関だ。大阪府寝屋川市出身の宇良関は、2017年の五月場所の番付では西前頭の十枚目。高校ではレスリング部に所属し、関西学院大学では相撲部に所属した。実は大卒というだけでなく、教員免許を持っているという変わり種の力士だ。
2015年に木瀬部屋に入門すると、翌2016年の五月場所には十両、そして2017年の三月場所には幕内入幕を果たすなどスピード出世を続けている。五月場所では、上述の高安関と同じ11勝を挙げたが、三賞受賞はならなかった。
取組は「アクロバット相撲」とも称されるほど珍しい技を繰り出すことで有名だ。これはレスリングの経験が大きいのに加え、宇良関自身の体が柔軟なことも理由にあるだろう。まだ十両だった2017年一月場所では、天風関との一番で襷反り(たすきぞり)という技を繰り出した。
この襷反り、片方の手で相手の差し手の肘を掴み、もう一方の手で、相手の腕の下を通し、足を内側からすくい上げ、後ろに反り倒すという複雑な技。なんとこの技が決まり手となったのは、決まり手が制定された1960年以来幕内で初だという。他にも「首ひねり」や「居反り」といったなかなか見ることのない技を得意とする。かつて舞の海関のニックネームであった「技のデパート」を継承する力士にふさわしいのではないだろうか。
173cmと小柄な体格で、更に重心を低くとった宇良関が繰り出すこうした妙技に、相手力士は非常にやり辛さを感じるという。2017年に現れた技巧派力士、宇良関の活躍にぜひとも注目してほしい。

各力士の夏の成長を見届けてほしい

年6回の本場所も折り返しとなる4つ目の場所であり、また夏巡業で心身とも磨きをかけた力士達の正念場ともいえる九月場所。前半戦で怪我に泣いた鶴竜関、稀勢の里関の両横綱の再起が望まれるだけでなく、高安関や宇良関といった気鋭の力士達の活躍も期待される。注目の多い九月場所から目が離せない。

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