三役力士が多い通算勝利数
ちなみに、通算勝利数の歴代10位までを並べると以下のようになる。
①1047 魁皇(大関)
②1045 千代の富士(横綱)
★③1036 白鵬(横綱)
④964 大潮(小結)
⑤951 北の湖(横綱)
⑥927 旭天鵬(関脇)
⑦914 若の里(関脇)
⑧872 大鵬(横綱)
⑨858 寺尾(関脇)
★⑩823 安美錦(関脇)
※★は現役。丸括弧の中は最高位。7月8日現在の数字
ご覧いただくと分かると思うのだが、意外と横綱が少なく、三役止まりの力士が名を連ねている。
それには理由がある。横綱は力が落ちてきたら、引退を求められる地位である。長々と現役を続けることができない。そのため、横綱は通算勝ち星をのばすのには、決して向いていない地位と言える。
この10傑に出てくる横綱は、千代の富士、白鵬、北の湖、大鵬。いずれも優勝回数が20回を超える名横綱中の名横綱である。これほどの横綱なら、横綱を長く続けて勝ち星も積み重ねられるだろうが、並の横綱ではそうはいかない。そのため、この4人の横綱ぐらいしか10位以内に入れなかったのである。
10位以内に入っている力士で横綱以外となれば、共通するのは長く現役を続けることができた力士と言える。
歴代1位の魁皇は38歳、4位の大潮が40歳、6位の旭天鵬も40歳まで現役を続けた。どちらかというと名横綱の記録というよりは、長く力士を続けてきたことに対する勲章のような意味合いが強い記録だったと思う。もちろん、40歳まで力士を続けるというのは並大抵のことではない(魁皇は引退まで大関、旭天鵬は引退するまで幕内にいた)。
いわば、強いだけでなく、長く続けなければ達成できない記録が、この通算勝利数の記録である。その記録にこの名古屋場所で挑むのが白鵬である。ちなみに、魁皇が歴代1位になったのが、6年前の名古屋場所。同じ名古屋で記録に挑むのも何かの縁である。