大相撲の三賞とは?
大相撲には三賞と呼ばれている賞がある。これは、大相撲の人気回復を図るために1947年の11月場所から設けられた3つの賞のことを指す。具体的には、殊勲賞、技能賞、敢闘賞の3つだ。当初は、各賞とも1名という原則があったが、1957年には、技能賞の受賞者が該当なし、1971年には敢闘賞が2人になるなどそれぞれ時代とともに変化をしてきている。
この三賞は、どのようにして決められるのだろうか。これは、千秋楽の幕内取り組みが始まる前に選考が行われ、日本相撲協会の委員と記者の投票により決定されている。
三賞に取り決めはあるの?
三賞には、当初から絶対的な条件がある。それは、その場所で勝ち越しをしていることだ。勿論勝ち越しをしていれば問題はないため、過去には8勝7敗で受賞しているといったケースもある。
ただし、最近では受賞基準もかなり高くなってきており、10勝以上していないとそれぞれの賞をもらうことは難しくなってきている。15日間全て出ていないといけないというルールはないようだが、途中休場している力士が受賞したことは一度もない。選考する段階で条件が出されるケースもある。14日目まで7勝7敗の場合、千秋楽で勝利しなければ勝ち越ししないため、千秋楽での勝利が条件となる条件付きもある。千秋楽で当たる三賞受賞候補同士が7勝7敗で並んでいた場合、事実上の三賞決定戦となったこともあるのだ。
大相撲三賞の1つ"殊勲賞"
殊勲賞は、主に優勝を成し遂げた選手や横綱から金星をとるなどした力士が選出される。優勝した力士が14勝1敗だった場合、優勝した力士ではなく、1敗をつけた力士が評価され受賞するという場合もある。
しかし、最近では該当者なしという場所も多くなっている。というのは、横綱の強さが群を抜いており、中々横綱から勝利を上げにくくなってきていることと、その横綱と大関の力の差があり、大関からの金星では評価が低くなっているからなのだ。
大相撲三賞の1つ"敢闘賞"
敢闘賞は、読んで字のごとく取組みに対して敢闘を称える賞になる。敢闘精神とは非常に難しい定義になるが、他の三賞でもある殊勲賞、技能賞の2つにも該当しないような好成績を上げた力士に対して与えられる。主に、新人やベテランの力士が受賞することが多く、奨励という意味合いで与えられることもあるのだ。
最近では該当する力士が多く、1場所で複数人受賞するといったケースも増えて来ている。2017年現在で最も敢闘賞を受賞した力士は貴闘力の10回が記録として残っている。
大相撲三賞の1つ"技能賞"
技能賞は、大相撲の取り組みで優れた技能を発揮した力士に対して与えられる賞だ。決まり手の数が多いことも選定基準の一つだが、それ以外にも押し、投げ、立合い、寄りなど大相撲で必要としている基本の型に忠実な力士が選出される。
ただ、基準がなかなか難しく、技が多くても基本の型ができていなかったりする力士もいる。受賞した力士は、個性派を認められた証でもあり、同じ力士が連続して受賞するケースもしばしばみられている。
まとめ
以上、大相撲の三賞について解説してきた。どのような力士が三賞を受賞できるのか、優勝までの熱い戦いを見ながら千秋楽までの取り組みに思いを巡らせ、自分なりに選出してみると、より大相撲を観戦する楽しみが増える。