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塩をまくという文化の意味は?大相撲と塩の関係について

2017 5/8 19:55茶色野うさぎ
大相撲
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出典 J. Henning Buchholz/Shutterstock.com

大相撲では力士たちが土俵に塩をまく。なにか神聖なものを感じさせる行為だが、実際にはどんな意味、歴史があるのだろうか?
今回は大相撲と塩の関係に注目して解説していく。

なぜ塩をまくのか?

日本での塩とは、「けがれを払うもの」「神聖なもの」として信仰されてきた歴史がある。けがれた体を清めるために海水につかるということが行われていたようで、海水からとれる塩にも同じような意味が付加されたと考えられる。
五穀豊穣を占う神事ともつながりの深い大相撲では、「清めの塩」をまいて土俵を清め、神聖な場所にするという意味がある。またケガをしないように神に祈るという意味合いもあり、ケガをした場所に塩をふりかける力士の姿もよく見ることができる。

どんな塩がまかれているのか?

大相撲では、いったいどんな塩がまかれているのだろうか?年3回の東京場所で使う塩は、1987年から毎年「伯方の塩」が使われている。伯方の塩を作っている伯方塩業は大相撲の支援に熱心で、塩の供給だけでなく懸賞金などもたくさん出している。地方場所や巡業で使われる塩は味の素の「瀬戸のほん塩」だったり、その都度仕入れているというのが実際のようだ。
基本的に塩をまけるのは十両以上の力士だけだが、一回の場所で使用される塩の量は600kg以上になり、塩の混ざった土は産業廃棄物として処分されるそうだ。

塩のまき方について

塩のまき方には特に決まりはないようで、かなり個人差がある。特に指導されることもないようだが、まき方によっては観客や審判にかかることもあって、後から注意されることもあるようだ。
相撲ファンの中には塩のまき方にも注目する人もいて、塩をまいた瞬間の画像がネット上で話題になっていることも多々ある。白鵬のまいた塩は、手の周りにきれいにまとまって写るため「ティンカーベル」と呼ばれたりしている。稀勢の里の場合は、本人を中心にして放射状に塩が飛び散る姿が高く評価されている。

塩まきで観客を沸かせた水戸泉関

塩まきで印象に残った力士といえば水戸泉関(現在は年寄・錦戸)が挙げられる。豪快な塩まきで人気となった水戸泉関は茨城県の水戸市出身、1984年に初入幕して2000年9月場所で引退するまで活躍した力士だ。新十両となった場所に勝ち星が上がらず、とりあえず塩くらいは景気よくまこうという感じで大量の塩をまき始めたそうだ。
最初は立ち合いのたびに大量にまいていたが、制限時間いっぱいのときに豪快にまくスタイルになっていく。制限時間いっぱいの盛り上がりに合わせて大量の塩をつかむ姿に、観客の期待も高まって盛り上がった。海外巡業で「ソルトシェーカー」と紹介されたのは有名だ。

現役の豪快塩まき力士・旭日松関

現役力士の中で豪快な塩まきが人気となっているのが、友綱部屋に所属する旭日松(あさひしょう)関だ。2012年11月場所で自己最高位の前頭11枚目まで上がったが、それ以降は十両を主戦場としている。
2012年の五月場所で10連敗したのをきっかけに、相手をひるませる目的で豪快な塩まきをはじめたそうだが、制限時間いっぱいでの豪快な塩まきはお決まりになっており、十両から観戦している相撲ファンにとってはお楽しみの一つになった。同期の高安関が上位進出を果たしている今、今後の躍進が期待される力士の一人である。

まとめ

大相撲で力士がまいている塩にまつわるお話を記事としてまとめてみたが、いかがだっただろうか?
大相撲を支えるために大量の塩が使われていることに驚きだ。今後は個性豊かな力士たちの塩のまき方にも注目してほしい。