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大相撲、豪風関について解説。37歳ながら「まだまだ取れる」

2017 3/22 18:28kinsky
大相撲,ⒸShutterstock.com
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Photo by J. Henning Buchholz/Shutterstock.com

大相撲幕内力士の豪風関は最高位関脇で、現在37歳のベテラン力士だ。2017年1月場所では10勝5敗という好成績で、3場所連続で勝ち越した。現役関取では2番目の高齢だが「まだまだ取れる」と意欲的だ。

豪風関は秋田県出身で、中央大学卒業後に角界入り

豪風関は秋田県北秋田市の出身で、本名は成田旭さんだ。尾車部屋に所属し、最高位は西関脇だ。中学時代までは柔道少年だったが、高校から相撲部に入り卒業後は中央大学に進学。4年生の時に全国学生相撲選手権大会で優勝し、幕下付け出しでの入門資格を得たことで尾車部屋から2002年5月場所に初土俵を踏んだ。
初土俵の場所は初日から6戦全勝の快進撃を続けたが、13日目に敗れて幕下優勝と十両昇進がともに成らなかった。しかし、翌7月場所の勝ち越しにより、9月場所に十両に昇進した。

十両は3場所で通過し、2003年3月場所で新入幕

新十両昇進に伴い、それまでの「成田」から四股名を尾車親方の命名により豪風に改めた。四股名には豪快な取り口で豪華な風が吹くように、という意味が込められているそうだ。
豪風関は十両に昇進後3場所連続で勝ち越し、2003年3月場所で待望の幕内入りを果たした。しかし、新入幕3日目、初白星を挙げるものの右膝と右足首を痛めて休場し、翌場所十両に陥落した。それでも9月場所には13勝2敗という成績で十両優勝を飾り、3場所で幕内に復帰した。

大負けが少なくなって幕内に定着。自己最高の12勝も記録

豪風関は再入幕後、ぶどう膜炎に掛ったため一時休場して十両に落ちるが、その後は幕内で相撲を取り続けた。2006年1月場所で初めて横綱大関と当たる前頭3枚目に番付を上げ、2大関を破ったが結局4勝11敗と大きく負け越した。
それでも初の上位陣との対戦が良い経験となり、大負けが少なくなって幕内に定着するようになった。2008年1月場所では12勝3敗という自己最高の成績を挙げて敢闘賞を獲得。翌3月場所で小結に昇進し初三役となった。

金星獲得、関脇昇進とも戦後最年長のスロー記録

豪風関は身長が171センチで体重が150キロ。低い身長を生かして重心を低くして立ち会い、突き押しで相手を土俵際に押し込むのが得意の型だ。基本的には四つ相撲を好まないが、柔道経験から時々一本背負いを繰り出すこともある。
2014年7月場所に日馬富士を破り、初めて金星を獲得したが、この時35歳1か月という年齢で最年長初金星という記録だった。この場所9勝6敗で翌9月場所に新関脇になるが、これも戦後最年長新関脇昇進というスロー記録となった。

秋田県から県民栄誉賞を受賞。年寄り名跡も取得

豪風関は秋田県出身力士として60年ぶりの関脇力士となった。それまで、秋田巡業や里帰りの際などに学校や福祉施設を積極的に訪問していることが評価されて、2016年5月に秋田県から県民栄誉賞が授与された。幕内最年長力士として務めていた安美錦さんが十両に落ちたことから、2016年9月場所からは豪風関が幕内最年長となった。
師匠の尾車親方は「ほとんど指導することも無い」と語っている。既に年寄り名跡「押尾川」を取得して指導者となる豪風関に対して全幅の信頼を寄せているようだ。

まとめ

現在、幕内最年長力士として活躍いている豪風関について解説した。大ベテラン関取となっても、2017年1月場所では東前頭5枚目で10勝を挙げ三役返り咲きも見えている。年寄り名跡は取得しているが、まだまだ引退の2文字にはほど遠いようだ。