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大相撲、幕内のベテラン力士、隠岐の海について解説

2017 3/22 18:28kinsky
大相撲,ⒸShutterstock.com
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Photo by J. Henning Buchholz/Shutterstock.com

隠岐の海関は八角部屋所属の幕内力士だ。2017年1月場所現在で幕内を40場所務めているベテラン力士で、角界きってのイケメンとして人気がある。

隠岐の島に風習として残る「古典相撲」で相撲に親しむ

隠岐の海関は、四股名から連想されるように島根県隠岐の島の出身だ。隠岐の島には神社などで慶事がある場合、夕方から翌日の昼まで相撲を取り続ける「古典相撲」という風習があり、幼少期の隠岐の海関にとって、相撲はごく身近なスポーツだった。
小学校に入ると相撲クラブにも通い、中学に進んでからも全国大会に出場するなど、経験を積んできた。高校は地元の隠岐水産高校で3年連続インターハイに出場。同年代の豪栄道関や栃煌山関と争い、個人の最高はベスト32だった。

2005年に入門。2010年3月場所で新入幕、千秋楽で勝ち越し

高校卒業後の隠岐の海関は航海士を目指していたが、島を訪れていた八角親方からスカウトされて入門し、2005年1月場所に初土俵を踏んだ。2009年3月場所で十両に昇進するが、この時四股名を本名の「福岡」から隠岐の海に改めた。
新入幕は2010年3月場所だ。この場所の千秋楽で勝ち越しを決め、2011年1月場所には東前頭13枚目の位置で後半まで優勝争いに残った。最終的には11勝4敗だったが自身初の三賞となる敢闘賞を受賞した。

千秋楽まで5人で優勝を争うも、最後に破れて悔しさを味わう

東前頭5枚目で迎えた2012年5月場所は前半戦から絶好調で、千秋楽前まで10勝4敗となり、隠岐の海関を含めた5人の力士に優勝のチャンスが残されていた。しかし、隠岐の海関は千秋楽に敗れ、12勝3敗で平幕の旭天鵬関が優勝した場所になった。
同年は9月場所も好調で11勝を挙げた。しかし、その後2桁勝利の場所もある一方、負け越す場所も多く、2015年3月場所には新関脇に昇進するが、場所中の稽古で左足を痛め休場を余儀なくされ1場所で関脇から陥落した。

上位に通用し、綱取りキラーの異名を取る力士に

隠岐の海関は関脇から陥落しても幕内の中位から上位に座り続け、毎場所のように横綱大関と対戦する。白鵬関からは1勝しているが三役だったので金星とはならず。しかし日馬富士関とは平幕で戦い3つの金星を獲得している。
日馬富士関の綱取り場所となった2011年9月場所や、鶴竜関の綱取り場所となった2014年3月場所に両大関から勝利し、綱取りキラーと呼ばれた。また、その後も琴奨菊関、稀勢の里関、豪栄道関の綱取り場所の対戦で勝ち、昇進を阻む1勝を上げている。

稽古嫌い、映画主演、美男力士など、さまざまな一面も

隠岐の海関の取り口は右四つと寄り身が得意だ。特に右四つになると横綱や大関陣とも五分の相撲が取れるのだが、逆に不得手の組み手になるともろいとも言われている。稽古嫌いであることでも有名で、相撲解説者から「やる気になったら直ぐ大関になれるのに」との指摘を受けている。
美男力士であるためか、相撲以外の所でも活躍しているのが隠岐の海関だ。2013年に公開された隠岐の島が舞台となった映画「渾身」では力士役で出演。東京オリンピック招致動画にも出演するなど多才ぶりも発揮している。

まとめ

角界きってのイケメン、強いがもろい……などの多面的特徴があるのが隠岐の海関だ。現在31歳だが、稀勢の里関も30歳で横綱に昇進している。今後の隠岐の海関の活躍に期待しよう。