子どもの頃、朝青龍の相撲に魅了されて本格的に取り組む
遠藤関は石川県穴水町の出身で、追手風部屋所属の幕内力士だ。相撲を始めたのは小学校に上がった頃だったが、小学校5年生の頃に金沢巡業に来ていた朝青龍関の相撲を見て多彩な技に魅了され、本格的に取り組むようになった。
小学校卒業後、地元の能登には相撲部がある中学高校が無かったので、金沢市に転居し金沢学院東高校に進み各大会で優勝した。その後は日大相撲部に進み、1年生から団体戦のレギュラーメンバーとなり、アマ横綱と国体個人優勝のタイトルを獲得した。
大学卒業後角界入り、僅か3場所で新入幕というスピード出世
遠藤関は大学卒業とともに角界入りし、幕下付出しからスタートして新十両では14勝1敗で優勝を飾る。2013年9月場所に史上最速の3場所で新入幕。まだ大銀杏を結えない「ざんばら髪」で土俵に上がり女性ファンの人気を集めた。
左足首負傷などのケガから休場を繰り返し、2016年月場所で十両に転落するも、同年5月場所で幕内に復帰。9月場所では13勝2敗という素晴らしい成績で技能賞を受賞し、人気に実力が伴ってきたとの評価を受けた。
横綱大関とも互角の相撲を取り、実力もアップ
2017年11月場所では東前頭3枚目に番付を上げて連日上位と対戦。横綱白鵬を倒して自身2つ目の金星を上げ、さらに3大関も倒した。1横綱3大関に勝利したことで殊勲賞の候補となり、7勝7敗で迎えた千秋楽に勝利すれば受賞することが決まっていたが、玉鷲に敗れて7勝8敗で負け越し受賞を逃がした。
しかし、毎日のように後半戦の土俵を盛り上げる立役者となり、取り組みには沢山の懸賞金が掛けられた。遠藤関にとっては収穫が多い大善戦の場所となった。
2017年1月場所も悔しい7勝8敗に終わるも、突き押しの威力が復活
2017年の1月場所で前半戦は好調に勝ち星を上げていたが、後半戦に崩れ、千秋楽に大関獲りを狙うライバルの高安関に敗れて前場所と同じ7勝8敗に終わった。しかし、同場所でも2大関を破るなど、上位と互角の勝負を繰り広げた。
古傷の膝も少しずつ良くなっており、突き押しの威力も戻りつつある。2場所連続で惜しい7勝8敗の負け越しに終わったものの、幕内上位に定着する力が付いていることを上位戦で証明した。
目標は同郷で大学の先輩でもある元横綱の輪島氏
遠藤関は目鼻立ちがはっきりした端正なマスクで、「スージョ」と言われる熱狂的な女性の相撲ファンからの人気を独占している。入門時から将来の目標とする力士について、同じ石川県出身で大学の大先輩でもある元横綱の輪島さんの名を挙げている。
遠藤関は慢性的に左膝の痛みを持っているが、他の力士のようにサポーターやバンデージなどは一切付けていない。気休めで意味が無いというのが理由だが、サポーター無しでさっそうと土俵に上がるスタイルも人気の理由だ。
まとめ
人気者の遠藤関はこのところ幕内上位にすっかりと定着している。柔軟な下半身を生かした粘り腰で相撲の巧さにも定評がある。立ち会いでの当たり負けが少なくなれば三役に定着し、さらに大関取りも見えてくるだろう。