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大相撲期待のホープ、阿炎の現在と将来性などを解説

2017 3/8 20:01kinsky
大相撲
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ⒸYuka Tokano/Shutterstock.com

将来の角界を担うホープの一人として阿炎政虎(あびまさとら)に期待が寄せられている。現在は東幕下24枚目だが、しばらく遠ざかっていた十両への復帰も近いとの声が高まっている。

阿炎は小学校3年生で相撲を始め、高校相撲でも活躍

阿炎は埼玉県越谷市出身で本名は堀切洸助。高校卒業後、錣山部屋に入門し2013年5月場所で初土俵を踏んだ。身長187センチ、体重128キロで、力士にしてはスラッとした体型なのが特徴だ。

後の阿炎、堀切少年が相撲を始めたのは小学校3年生の頃で、地元に近い草加市の相撲練修会に入り少年相撲で力を付けた。その後、中学に入り全国中学校相撲選手権に出場して3位入賞。高校は相撲部がある千葉県流山高校に進んだ。

2013年、錣山部屋に入門し初土俵。2年で十両昇進を果たす

高校ではインターハイでベスト16まで進み、3年時に出場した選抜高校相撲十和田大会では、準決勝で現在幕内の逸ノ城に敗れたものの3位入賞した。

2013年、卒業後に高校の監督が親しくしていた錣山部屋に入門。同年の5月場所で初土俵を踏み、一番出世の前相撲から順調に勝ち星を重ね、三段目、序二段で優勝を遂げる。2015年1月場所では幕下2枚目で5勝2敗の好成績を挙げて3月場所での十両昇進が決まり、晴れて関取となった。

四股名の「阿炎」は「阿修羅のように燃えて戦う」が由来

それまで本名の堀切という四股名で土俵に上がっていたが、3月場所での十両昇進を機に「阿炎」(あび)と四股名を改めた。師匠の錣山親方(元脇・寺尾)とともに臨んだ十両昇進の記者会見で、新四股名について「阿修羅のように強く燃えるように戦えるように」という意味が込められていると説明した。

また、錣山親方の小さい頃の愛称である「アッ、ベイビー」に音が似ていることも理由になったという。親方は「相撲度胸と相撲勘は天性のものがある」と期待を寄せていた。

幕下陥落後、2場所連続勝ち越しで十両復帰のチャンスが

阿炎は2015年3月場所で待望の十両入りを果たし、十両昇進2場所目の5月場所で勝ち越したが、十両4場所目の2015年9月場所で5勝10敗と大きく負け越し、幕下に陥落した。

その後1年余り幕下で勝ち越しと負け越しを繰り返し、幕下の中位あたりを前後していた。しかし、2016年11月場所で4勝3敗、続く2017年の1月場所で5勝2敗と、久々に2場所連続で勝ち越しを決めた。次の3月場所では十両復帰を狙える幕下上位に番付が上がるものと見られ、周囲からの期待が高まっている。

長身と長い手足が特徴、女性ファンからの熱い視線も

阿炎は入門後、僅か2年で十両に昇進したものの、現在は幕下に陥落して復活のチャンスを狙っている。長身ですらりと伸びた手足に、女性ファンの熱視線が送られている。離れた距離から長い腕を使って相手を突き刺すように突っ張るのが取り口だ。

取り口だけでなく、女性に人気があったことでも親方の元寺尾によく似ており、早くから石浦、宇良らとともに「次世代のホープ」と呼ばれていた。今のところ、2人には先を越されているが、阿炎が幕内でライバルとぶつかる日も近いだろう。寺尾2世として幕内での活躍が期待されている。