まずは決まり手の種類を知ろう
大相撲には、現在82種類の決まり手がある。それらは基本技(7手)、投げ手(13手)、掛け手(18手)、反り手(6手)、捻り手(19手)、特殊技(19手)の6種類に分けられている。
よく見られる突き出しや押し出しなどは基本技の中の決まり手だ。また、投げ手では上手投げや下手投げが決まり手になりやすいだ。
6種類の分類の中で特に珍しいものは、反り手だ。相手の体を自分の背中に乗せたり、自分の頭を相手の脇に入れるなどした後に自分の体を反らせて相手を倒す決まり手が多いため、なかなか見ることができない。
決まり手の歴史を知ろう
現在では82手ある決まり手だが、昔は48手しかなかった。古来の日本では48という数字は縁起が良いとされていたので、特に江戸時代には相撲の決まり手以外にも何かを定める時には48という数字がよく使われていたようだ。
江戸の寛文時代には、決まり手は投げ手、掛け手、反り手、捻り手の4種類にそれぞれ12手ずつ分けられ、合計48手としていた。現在と違い当時は土俵がなかったので、押し出しなどの技は含まれていなかったようだ。
時代は進み1995年に日本相撲協会が70手の決まり手を制定し、2000年にはそれらに12手が追加され現在の82手という形になった。
大相撲における禁じ手とは?
大相撲には、行うと反則負けとなる禁じ手が存在する。決まり手とは少し違うが、勝敗が決まるという意味で、決まり手と合わせて知っておくとよいだろう。禁じ手は以下の8手だ。
1、握り拳で殴る。
2、頭髪を故意に掴む。
3、目またはみぞおち等の急所を突く。
4、両耳を同時に両方の掌で張る。
5、前縦褌をつかみ、また、横から指を入れて引く。
6、喉を掴む。
7、胸・腹を蹴る。
8、指を持って折り返す。
出典:
日本相撲協会
力士になる際に禁じ手の教育がしっかりとされているため、現在の大相撲では力士が禁じ手を犯す場面はほとんどない。
豊富な決まり手を自在に繰り出す力士たち
さまざまな決まり手で相手を倒す力士の特徴は、小柄な体格をしているということだ。
代表的な力士は「技のデパート」と呼ばれた舞の海秀平(まいのうみ・しゅうへい)だ。現在はスポーツキャスターとして活躍しているが、現役時代の体格は身長171cm、体重101kgと力士の中では小兵だった。得意技は左差しや内無双、切り返しなど。小柄な体格を生かした素早い動きで大柄な力士から勝ち星をあげる姿が印象的だった。
他にも、決まり手の豊富な力士を挙げると、第68代横綱の朝青龍明徳(あさしょうりゅう・あきのり)がいる。その抜群の運動神経から、なかなか決まることのない伝え反りや櫓投げ(やぐらなげ)などを繰り出して勝利を収めていた。
まとめ
大相撲の決まり手は種類が多く、すべて覚えることは難しいかもしれない。
しかし、よく聞く決まり手だけでも覚えておくと、大相撲観戦はもっと楽しくなるだろう。
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