20年以上続く外国出身力士が日本相撲界で活躍する時代
2016年の初場所で琴奨菊が優勝したニュースは記憶に新しいところだと思う。このニュースは、「日本出身力士、10年ぶりの優勝」として、ニュースや新聞で大々的に取り上げられた。
最近でこそ、琴奨菊や稀勢の里らの奮闘により、日本人力士も注目を集めているが、それでもやはり、モンゴル出身者をはじめ、外国人力士の活躍が目立つ。
特に、ここ20年はその傾向が顕著で、1990年代後半に活躍した曙、武蔵丸、小錦などハワイ出身の力士、把瑠都や琴欧洲など欧州出身の力士、そして、朝青龍や白鵬をはじめとしたモンゴル出身の力士などが活躍し、日本出身の力士が勝てない時代が続いている。
幕内力士42人のうち、16人が外国出身力士
あるデータによると、2016年における幕内力士42人のうち、16人が外国出身の力士であるという調査結果が出ている。つまり、3人に1人以上が外国出身の力士という計算になる。その内訳は、モンゴル出身が8人、ジョージア出身が1人、ブルガリア出身、ロシア出身、中国出身、ブラジル出身、エジプト出身がそれぞれ1人ずつだ。半数以上の力士がモンゴル出身であるとともに、現在の横綱は3人ともモンゴル出身だ。
モンゴル人力士が強いのは屈強なハングリー精神によるもの!?
では、なぜモンゴル出身力士は強いのだろうか?
それは、日本人にはないハングリー精神にあると言われている。モンゴル人力士のほとんどは、母国で生活をする家族を楽にさせたい一心で入門してくる。まじめに稽古に打ち込んで、強くなろうと努力を重ねる。モンゴルの物価は非常に安く、日本の5~10分の1と言われている。そういう意味では、日本の大相撲界で活躍をして、一攫千金を夢見るのも自然と言える。
外国出身力士は各部屋1名しか在籍できない!
2016年8月10日現在で、相撲部屋は44部屋ある。
いずれも外国出身の力士が在籍できるのは1名のみ。つまり、最高でも44人までしか在籍できない。
かつては、外国人力士が在籍できるのは各部屋あたり2人までだった。しかし、小錦、曙、武蔵丸が活躍したことをきっかけに1人に減らし、その後、モンゴル出身力士の台頭により、外国人力士ではなく“外国出身力士”に変更された。
日本人力士の活躍にも期待したい。
現役で活躍する主な外国出身力士たち
- 白鵬…モンゴル出身。第69代横綱。幕内最高記録である33回の優勝を誇る。推定年収は2億円?3億円と言われている。
- 日馬富士…モンゴル出身。第70代横綱。白鵬との対戦成績は21勝33敗。幕内で最も白鵬に勝っている力士。
- 鶴竜…モンゴル出身。第71代横綱。
- 大砂嵐…エジプト出身。初めてのアフリカ大陸出身力士として、日本はもちろん海外からも注目を浴びている力士だ。
- 栃ノ心…ジョージア出身。初土俵から13場所で新入幕という記録は、史上10番目のスピード出世。
- 魁聖…ブラジル出身。祖父母が日本人の日系ブラジル人。2014年に日本に帰化している。
- 碧山…ブルガリア出身。初土俵から14場所で敢闘賞を受賞。これは史上6番目の記録だ。
まとめ
日本の国技であるにもかかわらず、最近では外国出身力士の活躍が目立つが、それには理由があった。
今後の日本出身力士の活躍に期待したい。