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こんな意味があった!大相撲の所作を解説

2016 11/8 19:20
相撲
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Photo by J. Henning Buchholz / Shutterstock.com

大相撲といえば、紳士のスポーツとしても有名だが、どんな所作があるかを知っておきたい人も多いと思う。 そこで今回は、大相撲における所作を徹底解説する。

所作はどれほど大事なの?

所作といえば、一般社会でも確かに重要視されているが、特に大相撲の世界では非常に重要なファクターとなっている。横綱といえども、所作が乱れていれば、それだけで評価が下がってしまうものだ。
特に、最近のモンゴル出身の横綱は、所作の乱れのため会場からブーイングが飛ぶこともしばしばある。優等生が求められているわけではないのだが、やはり最低限の礼儀が重要なのだ。
また、それをデキる人が粋に見えてくるものなのだ。 さらに、強さがあっても所作が横綱への昇進に響くこともある。

基本中の基本!蹲踞

蹲踞(そんきょ)は、日本生まれの競技ではよく見られる光景だが、元祖と言っても良いのが大相撲だ。両膝を開いた状態でしゃがみ、その後、膝の上に手を乗せて蹲踞が完成する。 相手をリスペクトするという意味もあるが、何よりも蹲踞することでこれから戦いに向かうという意識が強く出て、テンションが上がるものなのだ。
実は、この蹲踞にはへりくだるという意味合いがあることでも知られている。その点がリスペクトと繋がるわけだ。

塵手水で警戒感を失わせる

蹲踞を行った後に、もみ手で拍手して両手をはねのようにして広げる動作を行う。この所作の事を塵手水(ちりちょうず)と言う。他にも塵を切るという言葉でも表現されるものだが、これは昔清め水がない時に、草をちぎって手を拭いていたことに由来するものだ。
塵手水には、武器を持っていないということを相手にアピールする効果もある。もちろん、昔の名残りで実施しているのだが、この所作をあまり綺麗にやらずに崩したスタイルで行う力士が増えてきており、古くからの相撲ファンはあまり良い顔をしていない。

超有名な所作!四股

相撲界で最も有名な所作といえば、四股がある。四股を踏むという言葉でも知られていて、最近ではエクササイズとしても用いられている。
足を高く上げ、その後で地面を力いっぱい踏みつけるようにして下ろす。これには、邪悪なものを遠ざけるという意味がある。もっとも、最近では相手に自分の強さをアピールするという意味合いの方が強くなっている。
また、四股を踏む際には塩をまいたり力水を含んだりする。塩をまくのも、邪気払いのために行うものなのだ。

勝利後は手刀を切る!

見事に勝利した力士には、懸賞金が贈られるわけだが、これを受け取る際には必ず手刀を切る所作を行う。力士の真似をして、手刀を切って商品を受け取る人が多い。
手刀とは、その名の通り手を刀に見立てたものだ。実は、手刀を切る順番は決まっていて、右手で左側を切り、その後で右と中央を連続して切るというのが正統派のスタイルだ。
これにも意味があり、三神に対する感謝の意を示すためのものだ。

まとめ

ここでは代表的な所作を取り上げたが、他にも細かな所作が多く存在している。 やはり、昔ながらの所作をピシっと決める横綱は見ていてとても気持ちがいい。