大相撲の観客動員数は90年代後半から減少傾向
1990年代はまさに相撲ブーム。若乃花や貴乃花、そして曙、小錦、武蔵丸らの海外力士など、アイドル的存在の力士が多数存在していた。この当時(1994年)の観客動員数は、年間で84万4000人だった。
しかし、小錦が1997年11月場所、若乃花が2000年3月場所、曙が2001年1月場所、貴乃花が2003年1月場所、武蔵丸が2003年11月場所にそれぞれ引退すると、それと同時に相撲人気は下降線をたどることになった。
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大相撲の観客動員数がどれくらいか知りたいと思わないだろうか? そこでこの記事では、1990年代後半の相撲人気の低迷期から、野球賭博や八百長問題が大相撲界に与えた影響、そして挽回し始めている昨今の相撲人気について説明する。
1990年代はまさに相撲ブーム。若乃花や貴乃花、そして曙、小錦、武蔵丸らの海外力士など、アイドル的存在の力士が多数存在していた。この当時(1994年)の観客動員数は、年間で84万4000人だった。
しかし、小錦が1997年11月場所、若乃花が2000年3月場所、曙が2001年1月場所、貴乃花が2003年1月場所、武蔵丸が2003年11月場所にそれぞれ引退すると、それと同時に相撲人気は下降線をたどることになった。
2010年は大相撲界にとって激震の年となった。朝青龍が泥酔して一般人に暴行した騒動もこの年。この後、朝青龍は引退を余儀なくされている。
現役の大相撲力士が野球賭博などをはじめとする違法賭博に関与していた事件も2010年。この事件を受けて、琴光喜関と大嶽親方の解雇や、関与した力士が謹慎休場するなど、大相撲界の不祥事が続いたことで、2010年9月場所の観客数は約11万7000人に。発売枚数のおよそ3割にあたる4万9000枚のチケットが売れ残った。
さらに追い打ちをかけるように発覚した八百長問題。これは2011年に起こった不祥事だが、力士同士が白星を金銭で売り買いしていたということで、相撲ファンが離れるきっかけになった。
この当時で年間の観客動員数は30万人余り。若貴ブームから考えるとおよそ3分の1にまで減少している。
2014年の9月場所、つまり東京場所で大相撲の関心度がジャニーズの関心度を越えた。
それまで大きく離されていたジャニーズを大相撲が超えるとは、誰が想像しただろうか。ちなみに、男女比は男性が65%、女性が35%と、大相撲人気を支えているのは圧倒的に男性が多数。そして50代~60代の方がその半分を占める。
2013年から活躍し始めた遠藤関の影響も大きいと思うが、やはり横綱白鵬関の関心度が高かったようだ。
この時の観客動員数はどうだったかというと、2014年の9月場所で15日中14日が満員御礼。総動員数は18%増の合計15万1131人を記録している。
そして翌年の2015年には、若貴ブーム当時に迫る76万人を記録。ちょうど、日本人力士が10年ぶりに優勝したことも影響している。やはり、人気の力士によって観客動員数や関心度が大きく変動するようだ。
今後も遠藤関のような“時の人”がコンスタントに現れて、相撲人気が爆発することを祈る。
最近では海外出身力士の活躍が目覚ましく、日本人力士が影を潜めているが、遠藤関のように人気力士が現れると、相撲人気もそれに比例して上がる。 今後の日本人力士の活躍に期待したい。