帝京大が決勝最多の73得点で早大を圧倒
第59回全国大学ラグビーフットボール選手権大会の決勝が8日に国立競技場で行われ、帝京大(関東対抗戦1位)が73-20で早稲田大(同3位)に大勝し、2大会連続11度目の優勝を果たした。
先制した帝京大は一度は7-12と逆転を許したが、前半22分に青木恵斗の同点トライと高本幹也のゴールで勝ち越すと28-12で前半を折り返した。後半に入るとさらにリードを広げ、計11トライで2020年度に天理大が記録した55点を上回る決勝最多得点。圧倒的な実力を示す連覇となった。
2009年度から9連覇した帝京大が再びレコードを伸ばすのだろうか。過去の歴代優勝校と決勝戦スコアは以下の通りとなっている。

同大は平尾誠二を擁して3連覇、衝撃与えた大東大のラトゥ、最後の日本選手権制覇は早大
前身は東西大学対抗ラグビーとして行われ、全国大学ラグビー選手権大会となったのは1964年度から。法政大が14-6で早稲田大を下して初代王者に輝いた。
当時は大学選手権王者が日本選手権で社会人王者と対戦するシステム。1965年度の早稲田大は日本選手権で八幡製鐵を12-9で下し、日本一となった。その後も早稲田大は4回、日本一に輝いている。
関東勢が大学の頂点に立ち続けていた状況に風穴を開けたのが関西の名門・同志社大。1980年度決勝では、後に日本代表監督を務める萩本光威を擁して明治大をノートライに抑え、11-6で初優勝を飾った。
さらに2年後の1982年度からは平尾誠二や大八木淳史らの活躍で3連覇。大学選手権を3年連続で制したのはこの時の同志社大と9連覇した帝京大だけだ。
1986年度に初優勝したのが大東文化大。トンガからの留学生シナリ・ラトゥのパワフルなプレーが衝撃を与えた。
大学生として最後に日本選手権を制したのが1987年度の早稲田大。堀越正巳、今泉清、清宮克幸らタレントを擁し、吉田義人のいた明治大と雪の国立で行われた激闘は伝説となっている。大学選手権決勝では19-10で同志社大を破って優勝し、日本選手権でも22-16で東芝府中を撃破した。
しかし、その翌年から神戸製鋼が7連覇するなど大学生と社会人の実力差が広がり、1997年度から日本選手権はトーナメント方式に変更された。
関東学院大は10年連続決勝進出、帝京大は9連覇
1990年代後半から力を付けたのが関東学院大。1997年度に初優勝すると、10年連続決勝に進出して6度の大学日本一に輝き、黄金時代を築いた。
そして2009年から帝京大が9連覇。2022年度で11回目の優勝となった。ここまで歴代最多優勝は早稲田大の16回。続いて明治大の13回となっている。
2019年のワールドカップでベスト8入りするなど着実にレベルアップしている日本ラグビー。長い歴史を紡ぐ大学ラグビーの盛り上がりはその土台となるだけに、今後さらなる人気上昇と底辺拡大が期待される。
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